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【家づくり成功マニュアル】
家づくりで一番大切な資金計画で絶対失敗しない方法

楽しい家づくりの中でも一番不安を感じる人が多いのがお金のこと。途中で払えなくなったらどうしよう? 人生で初めての大きな買い物なので、不安に感じるのも無理はありません。ちゃんと資金計画を立てれば本当に安心できるのでしょうか? 

一方で、夢と希望にあふれていた家づくりが、途端に現実的な話に直面することになるのも資金計画。どんなところに気をつけて資金計画を考えていくのがいいのか?

「それを知らずに家づくりに踏み出すのは危険」というムクヤホームの粟津佑介先生に、資金計画の考え方をうかがいました。

取材・文◎板谷智

2018.09.22/イエマド編集部

まずは総予算 土地代は最後に考える

土地の広さや駅からの距離に惹かれて、土地を購入してから家づくりを考えようと思っている人は案外多いものですが、これは家づくりの順番が間違っていると言わざるを得ません。なぜならその地域にある都市計画の制限や建ぺい率の問題などのために、希望通りの家を建てられないことがあるからです。

 

さらに問題なのは、土地を買った残りの予算で家を建てなければいけなくなることです。家は建物代だけでなく、諸費用もかかります。また、さまざまな要望を組み込むうちに予算をオーバーするかもしれません。その結果、住宅ローンの借入額を無理に増やしたり、貯金を全部使うはめになったり。このパターンは最悪です。

 

土地の値段は差が激しいですから、誰もがいいと思う土地は当然高額です。でも、駅からの距離、家の向きや土地の狭さに多少不満があっても、間取りの工夫でそれを長所に変えることも可能です。土地代は一番調整が利く費用と言えます。ですので、総予算から建物代と諸費用を引き、残った金額で土地を買うのが良いでしょう。

 

では、総予算はどうやって出すのでしょう。住宅ローンの月々の返済額はいくらくらいまでなら大丈夫かを考え、そこから35年ローンを組んだときの借入れ金額を出します。それに、使ってもいい自己資金(貯金や親からの援助)をプラスしたものが総予算となります。この総予算内で家づくりが全部終わるように考えれば、安心して家づくりができます。

住宅ローン借入額は返せる額で考えよう

弊社にご相談に来られたお客様には、上のようなファイナンシャルプラン作成シートに記入していただき、月々の収入と支出を正確に把握するようにお願いしています。

 

このときの収入は、必ず手取り額で書くようにしなければいけません。光熱費から食費、保険料やお小遣いまで、毎月出て行くものは全部書き出します。年1回の支払いのものは、12で割って組み込むようにしてください。ボーナスは収入に組み込まずに、いざというときの費用として考えておくといいでしょう。

 

ただし、このシートには支出の中で重要なものが一つ抜けています。家計簿をつけたことのある人なら気づかれると思います。これについては後で説明します。

 

収入と支出がわかると、その差額から月々のローン返済に使える金額を割り出しますが、光熱費の増加分や税金などのプラスαを組み込むのを忘れないようにしてください。そして、月々のローン返済額が見込めると、35年ローンならいくら借りられるのかが逆算できます。

 

これは返済額から求めた額なので、「返せる額」と言えます。銀行は年収から貸すことのできる額を提示してきますが、「借りられる額」ではなく「返せる額」から借入額を決めることが重要です。そして、それに自己資金を足したものが総予算になるわけです。

頭金も繰上返済も無理は禁物

よく住宅ローンは定年までとか、60歳までに終えようと言いますが、私は、自分が組める最長期間で組むことをおすすめします。普通なら利息を多く払いたくないですから、少しでも借りる額を減らしたいと思うでしょう。

 

しかし、短く借りようとすると、どうしても月々の返済額が増えてしまいます。返済に追われ、貯金が全然できなくては、せっかく家を建てたのに生活が楽しめなくなります。

 

長く借りれば月々の返済額が減り、貯金をする余裕が生まれます。貯金を難しく考える必要はありません。次ページでも説明していますが、毎月これだけ貯金しようと決めておくのです。それ以上の収入があれば、それは使っていいというふうにしておくと気が楽です。

 

頭金についても考え方は同様です。手持ちの貯金を全部出せば、確かに借りる額を減らすことは可能です。しかし、もしものときを考えれば残しておいた方が安心です。残す額の目安は年収の手取り額分くらいです。それ以上貯金があるのなら、頭金に回しても構いません。

 

また、お金が少し貯まるとすぐに繰上返済をする人がいますが、これも無理は禁物です。住宅ローン開始早々の繰上返済は、元金を直接減らせるので効果はありますが、繰上返済をするにしても、年収の手取り額分くらいは残しましょう。

固定金利と変動金利どっちにすればいい?

引き続き、住宅ローンについての考え方をお話ししましょう。住宅ローンには固定金利と変動金利という種類があります。よく、固定か変動かどちらがいいですか?と聞かれることがありますが、超低金利の今の時代に全期間固定を選ばない手はないと思います。

 

建売や分譲住宅のチラシに、月々の返済額は○万円と書いてあるのを見たことがあると思います。ここにはなるべく低く見せたいために、変動金利で書かれていることが多いと思います。一般的に変動金利の方が金利が低いからです。

 

ですが、変動金利はその名の通り、市場の金利水準の変化によって、定期的に金利の見直しが行われるので、35年のローンの中で上昇する可能性もあります。金利の長い歴史を見てみると3%前半くらいであるのが普通です。今は歴史的な低金利ですから1%を切ることもありますが、これが35年続く保証はどこにもありません。

 

バブルの頃は金利が8%、9%あったわけですが、さすがにそのくらいの金利まで急上昇すると思っている人は少ないでしょう。でも、8%や9%になることが怖いと言っているわけではないのです。

こちらの図表を見ていただければわかるように、たった2%上昇するだけで、もうこの返済額では元金がまったく減らず、金利ばかり払い続けることになります。返済額を増やすか、繰上返済をして一気に返すしかありません。

 

そういう状況でも返済は待ってくれないので、延滞が続くとすぐに建物の差し押さえ、さらに自己破産という道が待っています。決して脅すわけではなく、ローンの返済が滞ると家を手放すことになるのは、築2~3年の家が中古住宅として多く出回っていることからも明らかです。こういうリスクを変動金利は抱えているということです。

 

現在1%の金利が、本来の金利の平均である3%になる可能性がどれだけあるか想像してみてください。いつなってもおかしくない状態なのです。これから始まる35年のローン生活の中では相当高いと言わざるを得ないでしょう。

 

現在の変動金利が5%や8%という時代なら、まだ下がる可能性もあるので、考え方が違ってきますが、今の金利は底と言われています。これ以上下がることはなく、あとは上がっていくだけだとすると、今の時代に変動を選ぶのはリスクが高すぎると言わざるを得ません。

人生何があるかわからないだからこそ貯金が大切

貯金がなぜそんなに必要かというと、もし勤め先の業績が悪化したり、リストラにあって収入が途絶えると、途端に返済が滞ってしまうからです。これはローン破綻の典型的なパターンです。

 

ローンが払えずにせっかく建てた家を売らなければいけない人が、実に年間5~6万人もいると言われています。 金利がどんどん上昇しているような時代ならともかく、そうではない状況でこんなに多くの人が家を手放さなければならないというのは、それだけアクシデントに対応できる蓄えを持っていないからだと言えます。貯金ができる家計にしておくのが、いざというときのために一番安心なのです。

 

35歳で35年のローンを組んだ場合、完済時には70歳になってしまいます。その歳まで返済があるのはいやだなぁと思う人は多いと思いますが、貯金を続けていれば、定年を迎えた時にはすでに蓄えがあるはずです。

 

仮に退職金が出なかったとしても、残ったローンは全額貯金で返済できるかもしれません。もちろん、それまでにも何があるかはわからないのが人生です。しかし、それを乗り越えるには貯金があるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。

余ったら貯金では貯まらない

ファイナンシャルプラン作成シートに重要なものが抜けていると書きましたが、それは支出の欄に貯金が抜けているのです。「貯金が支出?」と思われる方がいるかもしれません。

 

家計簿をしっかりつけている人ならおわかりになるかと思います。貯金を始めようという人が一番やってはいけないことは、月ごとに収支計算して余ったら貯金しようと考えること。これでは、余る月と余らない月が出てしまい、結局お金は貯まらないのです。

 

月々の支出項目にあらかじめ5万円とか3万円とか入れておくようにしないとライフプランに貯金額を書いておいてもその額を貯金することはできません。そのことに気づいていただくために、シートにはご自分で記入していただくようにしてあるのです。 

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