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子育てにおけるコミュニケーションとは?

同じ空間にいながら、見守ってあげるということが難しい部分でしょうね。お母さんも、自分がしたいことをするときにどうすればいいのか。それもストレスの部分で、個々にする、お互いにする、見守るという部分のバランスだと思いますが。

そうですね。最初のうちは難しいと思いますが、例えば、「あなたは30分間、ブロックで遊ぶことが出来るかな?お母さんも30分仕事するね」「時計の長い針が6のところにきたら、お母さんにおしえてね!」と言います。
子どもにとって、どういう意味があるかと言うと

  • お母さんは仕事をしなくちゃいけない(お母さんとはなれる)
  • ひとりの時間を過ごす(自由に遊べる)
  • 30分なら我慢できる(時間の我慢)
  • 時計を見なければならない(気をつけること)
  • 30分経ったらお母さんにおしえる(お母さんを助けること)

この約束事の中に、子どもにとってはこれだけたくさんのことを考え、こなさなければならないのです。でも、この約束をすることで、我慢、自立を学びます。

お子さんに、「これだけはママの大事な分だから」ということをきちっと説明してあげることが大事なのかもしれませんね。

まずは子どもと話をすること、子供の意見を聞くことも大事です。お母さんの意見を言ってあげることも大事ではないでしょうか。 親子の会話の中で、その部分が欠けています。好きに遊んでいればいいじゃない、子ども一人で何とかやってくれないかな、という思いだけが先走って、了解を得てお互いに納得した上で時間を過ごすことの規則を、お母さんのルールを作ってください。
このルールが親子の絆をより深め、子どもの自立へ変えていきます。

親子だから言わなくてもとか、静かにしていればそれでいいと思ってしまうことは危ないですね。どんどん、親子関係がすさんできます。

他人同士であれば気配りをします。子どもには、思いを受け止めてあげることが大切です。0歳から1歳ぐらいまでは、好き嫌いをあまり出しませんからお母さんが一方的にやりこなしていると思います。その後は家庭の中でお母さんのルールを作ることが、この頃、もっとも大切なポイントです。

お母さんのルールを作ることがポイント。

日々の生活の中で、お母さんがやってほしくないこと、ここまではやってもいいけど、ここからはやってはいけないというお母さん自身の判断があれば、子どもたちはとても楽です。 お母さんは、やってはいけないと言っている。「どうして」「なぜ」と聞いたときに、「こういう理由でお母さんは嫌なの」「こういう理由でやってほしくないの」と言ってあげると、どの子供たちは「そうなのか、こういうことだからやってはいけないのか」と理解できます。

お母さん方は、言っても何もわからない、この子は理解してないと思っている方が多いですが、子どもたちは、言えば言うほど、お母さんが何か訴えているということは必ずわかります。お母さんが何をやりたいのか、どうしたいのかを言ってあげることがいいのではないでしょうか。

きちんと伝えることが大事ですね。言ってもわからないと思って言わなかったり、ただ怒るのではなくて、これは決めたルールだから守ってねというように、説明をきちんとしてあげれば子どもはわかるということですね。

わかります。1回言ってもわからなければ2回3回、1週間なり2週間なりの期間をかけて、言ってあげると気持ちが伝わります。

言っても聞かないからやってもいいわということになると、なぜやってもいいのかということですね。ルールがぶれずに、ダメなものはダメときちんと教えてあげないと、ダメじゃないのかとわかった瞬間にまたやる。そういう部分ですね。

はい。この時期に、お母さんにやっていただくポイントがいくつかありますので、それをお話いたします。子どもにとって、お母さんはいつもそばにいますが、本当にお母さんは自分のことを見ているのかなあ、好きなのかなあ、とても気になります。
まずは、お母さんが子どもに

  1. 「大好きよ」という言葉がけをすること。
  2. 「いつも見ているよ」「いつも一緒だからね」という安心感を持たせること。
  3. 家庭のルール、お母さんのルールを作るということ。
  4. 多少の逃げ道をつくってあげること

この4つのポイントです。
子どもたちは、自分の心の逃げ道を知りません。どこかに逃げ道を作ってあげることも大事なことだと思います。

逃げ道というのはどういうことでしょう。1回はいいけど、もうしないようにしましょうということが許すということですか。

いけないことなら「あなたのやったことはもうしないで、悪いことよ」「人に迷惑をかけてはだめよ」と言って、やった行為に対して怒り、正していきます。

初めてのことならば、いけないこと!を納得させ、反省させる。そして次はやってはいけないことを教えていきます。またやり方が違うのであれば、「今やっている方法より、お母さんのほうがもっと簡単で楽よ。一緒にやってみない?」と別の方法をおしえてあげること、また、ぎりぎりまで追い詰めずに、心に余力を残すことで立ち直りがスムーズにいきます。

子どもたちは頭がいいですから、楽なほうに逃げてしまうところがあります。ある程度の時期までは逃げることに関して許されますが、5~6歳になるとどうしても避けられないことが出てきます。
どうしても幼稚園でお遊戯をしなければならない。そのために振りを覚えなければならない。一人だけ覚えずにいることはできませんから、逃げずにクリアしていこうという努力が必要になってきます。

そうすると、子どもたちの心にストレスがたまってきます。どこかに逃げたくなる。お母さんに泣きついてくる。 そのときに、「苦しかったらこういう方法もある」「ここで休憩してみようか」、「おばあちゃんに相談してみようか」「お父さんに相談してみようか」そういう逃げ道を作ってあげる。

いろんな人の意見が出てきますよね。その中で、お父さんの意見が楽そうだと思えばお父さんの意見を取り入れるのもいいでしょう。おばあちゃんの意見がよければ、おばあちゃんのやり方でやってみてもいいでしょう。いろんな考え方や方法があることを教える手段としての「逃げ道」を使っていきます。

もう一つは、親の姿を見せることも大事だということです。お母さんは、子どもの前で本当の自分の姿を見せません。悲しいときや苦しいときは我慢して、子どもにはいい笑顔を見せてあげよう、苦しいところは見せないようにしよう、というのがお母さんだと思います。

でも、お母さんも人間ですから、悲しいときもあれば苦しいときもあって、楽しいときもあるわけです。そのときは一緒に喜び、一緒に楽しんだり悲しんだりしてもいいと思います。どうしても心に秘める子どもたちがいますから、それを我慢せずに、「お母さんも言うからあなたも言ってね」と一言いって見て下さい。「お母さん、今日はこんなことがあったよ」と素直に子供たちの口から言えるようになってきます。

たまには弱音を吐いてみるのもいいということでしょうか。親として、威厳ばかりではなくて弱い部分、お母さんだってあるという部分も見せる。

そうすることによって相手(おかあさんの)の顔色や、お母さんの心が見えるようになってきます。今日は体の調子がよくないかもしれない、今日は悲しそうだということを、顔色で見分けることが出来ます。

1才4ヶ月のRちゃんは、とても気のつく女の子です。ある日、お母さんがTVを見ていて、涙をボロボロ流して泣いていました。Rちゃんは、すーっといなくなり、ティッシュをもって帰ってきました。そしてお母さんの涙ふきながら、うなずくように「ぶー、ぶー」と言ったそうです。お母さんの話では「だいじょうぶー」の「ぶー」だそうです。そんなRちゃんの行動に対して、お母さんはとてもうれしかったと話してくれました。相手を気遣う心がRちゃんにはちゃんと芽生えていると言うことです。

肩肘張らず、育児書どおりではなくて、ご自分たちのルールがあって、今おっしゃったように、本音を出してみるのも子育てというのは、なるほどと感じました。

大人というのは、子どもから見ると完璧で、強くて何でもできるという感じに映りますが、大人も完璧ではないですよね。お母さんはこういう性格だということを子どもの前で多少見せても、子どもはお母さんが大好きですから、「お母さんはこんな性格だから嫌いよ」と根本的にお母さんを嫌うことはないと思います。

多少、性格が違う面で、お母さんのこの部分は嫌いということはよく言いますが、お母さん大嫌いという子どもたちはいませんから、安心してお母さんも自分を出してみてください。自分を出すことによって、子どもたちもお母さんに自分を見せる。相手を理解する上での一つの道を作ってあげるのもいいことだと思います。

私自身は子どもが3人いますが、一番下が2歳か3歳になったときに、3人の子どもを目の前にして「お母さんは、3人いるとどの子がどういう思いでいるのかわからないから、うれしいときや悲しいとき、苦しいときは、いつでもいいからお母さんに言ってきてね」とずっと言っていました。毎日言うのではなく、気がつきたときやふと頭に浮かんだときに言葉に出していました。

はじめの数ヶ月は、なかなか子どもも恥ずかしいのか寄ってこないので、私は見本を見せることにしました。寂しくなると子どもの所に行って「寂しい」といい、TVで悲しいのを見たときは、きらりと涙を見せる! 実際にやって見せると、子どもも納得したのかそのうち寄ってきはじめました。

子どもたちはなかなか言えませんが、本当に苦しくなるとやってきて、「お母さん、抱っこ」と言っていました。抱っこしてあげると落ち着いて、「実は幼稚園でこんなことがあった」「こう言われた」「きょうだいゲンカをした」とポツポツしゃべります。 そこで、この子はどんなに苦しかったのか、どんなに悲しかったのか、そういう気持ちを認めてあげると子どもたちは気持ちが落ち着いてきます。お母さんがきちんと受け止めてくれたということを理解しますので、子どもたちにしてもストレスがなくなっていくようです。

お母さんが受け止めてあげる時間を持ってあげる。ルールを説明して子どもと接してあげることはとても大事で、ほったらかしていて子どもは育たないということですね。

はい。お母さんが子どもをほったらかす、そのままにしておくのではなくて、一歩進んで子どもに近寄っていくのもいいと思います。 わからないならわからないなりに、子どもに話しかけてあげると、言葉は出なくても、態度で示してくれます。お母さんが「嫌なの?」と聞いたときに首を振るとか、手をあげるなどの行為によって気づいてあげる。(ちょっとしたボディサイン)を見逃さない。

かすかなSOSですが、それをお母さんがキャッチしてあげることができれば、どういう悩みがあるのか、何が悲しいのか、苦しいのか、原因を探る手助けになります。

SOSをキャッチできるアンテナを常に張りめぐらせて、距離を置いたり近づいたり、度合いを測ってあげるのがお母さんの役目でしょうね。

働いているお母さんは、常に一緒にいるわけではないので難しいと思いますが、子どもの言動を見ていると必ずわかると思います。

私も教室で子どもたちに逢うのは、1週間に1回ですが、来る子供たちが教室に入った瞬間に異変をキャッチします。今日は何か変だなという、ただならぬ空気が漂います。妙にはしゃいでいる子供がいたり、ムスッとしている子供がいたり、その日によって違っています。

この子は今日、何かあったぞと心に留めておくと、例えばレッスン中にストレスがたまってオモチャを投げる。普通は、先生に返すときはちゃんと手で返してくれますが、そのときは投げて返す。レッスン中に「嫌だ」を連発したり、ちょっとした言葉で泣いたり、子供たちは感情をうまく出せない代わりに行動や態度で示してくれますから、それをお母さんが見逃さないようにしておくのがいいと思います。

きっと見逃してしまっているのですね。子供はストレスを出しているのに、お母さんが見逃してしまっているからわからなくなってしまう。

意外に見逃していることは多いです。ほんのちょっとしたことですから、それを見逃すと、後々ストレスがどんどんたまっていって爆発することになります。

もう一つ、こんなこともありました。幼稚園で発表会の練習のときの事。幼稚園の先生がみんなの前で指導してくれます。全園児の前で、あるNくんが発表することになりました。どうしてもそれがうまくいかずに、先生がはっぱかける意味で「どうしてできないの。できるのに、もっとちゃんとやろうよ」と言いました。

Nくんは先生の言葉が胸に刺さってしまって、その場はそれで終わりましたが、レッスンに来たときにおかしかったのです。 今まで素直に何でもこなしていく子でしたが、「これをするのは嫌だ」と言ったり、オモチャを投げて返したり、言葉が乱暴になっていたので、レッスンが終わった後にお母さんに「何がありましたか」と聞くと、「べつにないです」とおっしゃって帰っていかれました。

その後、お母さんも気になったのか、幼稚園に電話をされて、「今日は何かありましたか」と先生に聞かれたようです。そうすると先生が、「一言、ちゃんとやろうと言ったことが気になっていたのじゃないかなあ」とおっしゃって、その場で先生はNくんに謝ったそうですが、どうしても子どもは納得いかなかった。

お母さんが電話を切られた後、「今日はこういうことがあったの?大変だったね。でも大丈夫よ」とNくんとよく話して、もう一度幼稚園に電話して、先生と話したそうです。「ごめんね、言葉が悪かったね」ということで、先生と和解して初めてNくんのストレスが取れたのです。

お母さんから「気持ちが楽になりました。Nくんも楽になったようです」というお電話をいただきました。観察することによって、子どもは何かあるとすぐ態度に出てくるということが、わかるようになります。ずっーと24時間見てなさいと言うわけではなく、いつもとの違いをキャッチすることです。

小さいことを見逃すと、それがだんだん大きくなって、どんどんストレスになっていきます。今度はお母さんにあたったり、きょうだいにあたったりしますので、それをうまくとらえる。そのコツは、お母さんがちょっとした言動の違いを見ることだと思います。

(続く)