
こんにちは。
今日は、日本産業コンサルティング協会講師の志和池恵さんに「子育てにおけるコミュニケーション」についてお聞きしたいと思っています。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
それでは、早速ですが、志和池さんは幼児教育の先生もなさっていますが、教室のことや家族構成のことなどを教えていただけますか。
わかりました。私には3人の子供がいます。高校1年生の長女と中学2年生の長男、それと中学1年生の長女、そして主人と私の5人家族です。福岡で幼児教室をしていますが、通われているお子さんは0歳から6歳までと小学校1年生から6年生までの子どもたちを教えています。自分の子どもが中学校と高校になって、ちょうど思春期に入りました。0歳から高校生まで幅広く子どもたちを見ることができています。楽しい時期から難しい思春期に入ったところまで見ることができて、今は楽しく過ごしています。
ありがとうございます。私は志和池さんより年が上ですので、すでに成人している娘が二人おりますが、思春期というのはこれからだんだん難しくなってくると思います。今日はお母さんとのコミュニケーションについてお話を進めていきたいのですが、いろんな問題がニュースでも飛び交っている中、志和池さんから見た今の子育て、エッと思われることやこれでいいのかという問題点をお持ちだと思いますが、どうお考えですか。
皆さん、お子さんを持たれたお母さんは必ず子育てをしますが、子育ては大変ですね。
大変です。
一人いれば楽かというとそうではなくて、一人いても二人いても三人いても、子育てはそれぞれ違いますから、実際は子どもの人数に関わらず大変だと思います。まずは、「大変」だということをお母さんが認めてください。「認める」というのは以外に難しいものです。私たちは先入観や固定観念がありますから。また、自然と我慢してしまいますよね。
「みんな大変なんだ!私一人ではない」ということを認めると、楽になると思います。初めてお子さんを持ったお母さんは、すごく戸惑いがあります。私自身も、最初の子供のときは何もわからなくて、育児書を片手に子供を育てました。周りに両親もいない状態で、相談する相手が一人もいなかったので、子供と二人だけの時間を過ごしました。
生まれた赤ちゃんは、バイ菌や雑菌には、抵抗力がないですから子育ての第一歩は、まず、きれいにということが私の頭にありました。子供に触るときはいつも手を洗ってきれいにする。すべてものをきれいにすることが精一杯で、主人が帰ってくると、まずは抱っこをしに子どものところに急いで行きますが、『抱っこをする前に汚い手を洗って、きれいにしてから子供のところに行って』と主人に言っていました。そのころは子育てにすごく神経質になっていたと自分自身で思います。
最初のお子さんはそうですね。私もそうで、最初は育児書を毎日見て、寝ていても本当に息をしているのかと思って、すべてわからないことだらけで、何をどうしていいのかわからず、どう子供が育っていくのかもわからずに、最初の子供は育ててしまったと思います。
そうですね。最初の子どもとの大事な時期に、私はうまく子供と接することができずに、かわいそうなことをしたと思いますが、ほかのお母さん方もそんな思いを持たれたのではないかと思います。
どうしても、最初の子供のときは親と子、お母さんと子供だけという時間が長くて、どうしていいのかわからないし、外には出られない。
特に退院直後はどうしようもできないですね。お母さんと子供だけということになりますので、退院して子供と二人の時間がとても長くなると、誰も来てくれない、相談する相手がいないお母さんは、どうするかといえば育児書に頼るしかないですよね。
私も、子供が生まれたときは二人きりでしたから、どう扱っていいのか、触るのも怖いという感じがありましたが、それはどのお母さん方も一緒ですね。
最初は抱っこすることすら上手ではないので、スキンシップなんて何をどうしていいのかわからないまま、宇宙人の子を扱っているようで、取扱説明書を見ながら一つひとつの対応を頭から取り出しているような感じ。一人目はそうじゃなかったですか。
そうですね(笑)。
今思うとよくやったと思いますが、皆さんも一人目のお子さんにはそのように対応されているのではないですか。
まさにおっしゃるとおり、取扱説明書があるなら子育てが楽でしたね。この時期に子供たちとスキンシップやコミュニケーションをとっていくことが、一生の中でも大事だと思います。
私自身、きれいにきれいにということが頭にありましたからあまり触ることもできずに、子供とコミュニケーションをとるのにかなり時間がかかりました。半年たち、1年たってくると、子供と一緒に遊ぶようになって、子供と一緒に悩みや悲しみ、楽しさを味わえるようになってきました。
この時期は戸惑いとわからないことだらけですから、親も徐々に母親になっていくということですね。
二人目ができたときには、逆に安心感や余裕が出てきて、育児書は一切見ませんでした。子どもが、本当に素直にかわいいと思いました。長女と私と3人で日々コミュニケーションしながら、肌と肌をふれあいながら生活していくことがだんだんできるようになってきました。
余裕みたいなものだと思いますが、最初のお子さんの場合は難しいことですね。
難しいですね。今の世の中は核家族化していますから、一人のお子さんにお母さんという家庭が増えてきました。ですから、わからないまま大事な時期を通り過ごしているお母さんたちが意外と多いのではないでしょうか。
お母さんの精神的ストレス、外に出られない、自分のことすら危ういという部分があって、子供に余裕を持って接することができないから、なおさらコミュニケーションが難しい。はたからは親子だからと言われますが、親子自体が未経験のまま、初めてというのは不安と何だかわからないという部分になってしまって、本当に大事な部分はそこでしょうね。
そうですね。今のお母さんのお母さん(つまり、おばあちゃん)からいろんなことを教わらずに育ってきたお母さんたちが多いような気がします。
なぜかというと、おばあちゃんたちの時代は共稼ぎという社会状態でしたから、両親とも働きに出ていて、親と接する時間が少ない。ゆえに教わる時間がなかった。これも、原因の一つかも知れません。
この方々がお母さんになったときに、子どもと二人だけの時間をどう過ごすのかです。これはまるっきり二人だけなので、相談する相手もいなければ、おばあちゃんに相談しようと思っても、今のおばあちゃんたちは若いですから働きに出て家にいない方もいらっしゃるようです。いざ相談しようと思っても、おばあちゃんはいない。
では誰に相談するのか。誰にも相談できないまま、お友達もつくらずに家の中で二人だけで過ごしている家庭は教室にもかなりいらっしゃいます。
でも、それは子どもにも影響を与えることですね。
子どもたちは、周りにママしかいませんから、お母さんが一番頼りで、一番信頼できる大人です。
親と子といえども、遺伝子は受け継がれていきますが、性格や気質は受け継がれていくものではないのです。「パパとママのどっちに似ているの(性格が・・・)」とよく話題にでますよね。その子の本質が表に出てきているので、どっちに似ているのかわからないという時期があります。
パパ似、ママ似、どっちも似てないという話をよく聞きます。
どっちに似ているといっても、最初のうちは顔もどんどん変化してきます。でもそのうち、似てきます。でも、性格になるとまったく受け継がれないのが通常です。
「いえ、似ていますよ」という方は、ご両親と同じ性格を持った子どもだったり、その性格に近かったりする場合だと思います。それ以外の方は、親とまったく違う性格ということになります。これって戸惑いますよね。
私はおとなしくていい子だったという話を聞いているので、なぜ言っても言っても子どもが聞かないのか、想定外のことをするのか、わが子ながらわからないということもありました。
子どもの性格がわからないと、お母さんも苦しいですし、子どもも親に対して、どう対応していいのかわからないので、「なぜお母さんはわかってくれないの」と口に出したり、その矛盾さから、思いもよらない行動をする時があります。
子どもたちは生まれてからお母さんとずっと一緒です。365日24時間お母さんと一緒ですから、お母さんの言葉や行動、しぐさ、いろんな習慣を毎日1秒1分たりとも見ているわけですから、「お母さんはやさしい人だ、じゃあお母さんを見ればいい、お母さんをマネっこすればいい、」と思ってお母さんのやり方を学んでいきます。
子どもは親を観察していて、親のほうはわからなくても、子どものほうが親を見て、こうすればいいのか、すべて親を見ているということですか。
そうです。子どもは、すごい能力を持っています。世の中に出てきてからの情報は、最初のうちは唯一お母さんからもらいます。お母さんが見本なので、子どもはお母さんを見て育ちます。
遺伝的にいうと、ほぼ80%お母さんのものを受け継ぐといわれていますが、性格的なものからいうと若干違う感じがします。子どもたちは、毎日お母さんを見ながら、「お母さんはこういう口調でしゃべる、こんなふうに話しかけてくれる」ということを見て学んでいくということです。
外に出て行く前、1歳ぐらいのときは、子どもにとってはお母さんが世界なので、お母さんがどう接するかということはとても重要なことになってきますね。今のお話を聞くと、すべて見ていたというのは、自信がない親だったから、今思うと恐ろしくなります。
昔はよく、子どもは親の背中を見て育つと言われていましたが、今のお母さんは背中を見せませんね。背中を見せるということは、考えたり行動する姿を見せるということで、子どもが自然と生きる姿を学んでいくということです。いまでは、子どもを部屋において、自分のやりたいことをやるお母さんが多いのではないでしょうか。
日頃、お母さんといろいろお話しますが、子どもと何をして遊べばいいのか、何をしゃべればいいのか、わからないお母さんがいらっしゃいます。
「これは楽しいね」というように、生活の中でふと目にしたこと、聞いたこと、思ったことを素直に言ってあげればいいのです。でも、どうコミュニケーションをとればいいのかわからないと言われるお母さん方も何人かお目にかかっています。
絶句という状態で、私は50代になりましたが、このごろのおばさん方からするとよくわからない。どういう状況ですか。
今のお母さんたちは、自分の親と遊んでないと思います。
私自身も、両親が共働きでしたから、親と遊んだという記憶はほとんどありません。ただ、きょうだいがいましたので、きょうだいで遊んだり、周りにおばがいたのでおばと一緒に遊んだり、そういうことしか覚えていません。
今のお母さんたちが子どもとうまく遊べないのは、自分も親に遊んでもらっていないからかもしれませんね。
この時期に親子で遊ぶというか、接する、昔は親子のコミュニケーションは当たり前のことだったと思いますが、言葉かけはとても大事なことですね。
言葉かけは一生の中で、この時期がとても大事なものだと思います。
子育てというと、人生の中でみたらそんなに長いものではないですね。長い目でみたら小学校、中学校、高校、二十歳になるまでずっと見ていきますが、お母さんが付きっきりで子供と接するのは6年間ぐらいではないでしょうか。
生まれて1年か1年半の時期は、ものすごく大事な時期で、大人の10年分ぐらい脳が発達します。これを逃すと、情報が子どもの中にインプットされない、脳の中に定着しないままになってしまいます。なぜこの時かといえば、無理なく何も考えずにすっーと子どもは素直に物事を捉えていくからです。
お母さんが子どもと接しなければ、お母さんのやり方がわからないし、お母さんはどういう人なのかもわかりません。ましてや、お母さんの性格、ぬくもりを味わうということが難しいです。
働いて、ただ子どもと接するだけなら、そのお母さんからすると、生活の一貫でしかなく、扱いにくい子や、子供がわからない、この子はどんな性格なのと思っているお母さんの子育てはお手上げ状態になるのではないでしょうか。 例えば、自分の子どもがわからなければ、自分を押さえ込んでしまう、怒ってしまうという行動に出るお母さんは多いです。
昔から、子どもは自然に育つと言ったり言われたりしましたが、これは地域の方、あるいはおじいちゃんやおばあちゃんがいたり、人間関係が見えていたり、いろんな人からの言葉かけがあるからこそであって、核家族の中で、お父さんは仕事で、お母さんと子どもはほったらかしにしていては、子どもの人格という部分では大変なことになってしまいますね。
誰かがではなく、そのことをお母さんが理解して、努力して子供に接してあげないと、わからないでは済まされないような気がします。
そうですね。今のお母さんは、この一番大事な時期を意外とほったらかしで、忙しいから保育園に預けようか、おばあちゃんに預けようかという行動に出ます。お仕事をされていたら仕方がないことかもしれませんが、この時期はお母さんが一緒にいて、手をかけて言葉をかけて、あげることが一番大事だと思います。
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