和室とのつながりを持たせることでゆったり贅沢な空間に仕上げたLDK。和室を仕切る引き戸は4枚仕様で、床の間の壁面に収納でき、すべて開ければ大きな空間となる。落ち着いた雰囲気の民芸調インテリアが沈まないよう床や建具は明るめのトーンに統一。
土地の広さを活かし建物を真南に配置。シックな外観にシンメトリーにデザインしたポーチ柱とウッディな玄関ドアがアクセント。
蠣原様宅のリビングは抜けのある空間に民芸調家具がセンス良く置かれています。LDKと和室を中心に水回りや子ども部屋を廊下でつないだ平屋のお住まいです。
ご夫妻はご長男の誕生を機に念願だった家を持つことを決意。そのとき浮かんだのが川上建築でした。「僕も妻も地元で生まれ育ったので地元愛が強い(笑)。お任せするなら地元密着型の川上建築さんだと思っていました」とご主人は振り返ります。
資金面での不安もありましたが「家を建てても年に1回は旅行に行けるような余裕のある資金計画を」という助言に旅好きなご夫妻の心が動きました。
玄関は味わいのある古民家にある土間をイメージ。広さを活かすためドアは引き戸を採用。ホールには大型の壁面収納を設けている。
廊下からリビングへの動線。ご主人が帰宅後すぐに着替えられるよう廊下の途中に専用クローゼットをつくった。水回りは廊下右手にまとめた。
光があふれるLDK。ダイニングテーブル前に配置した大型の民芸調棚には奥様自慢の器が美しくディスプレイされ、ギャラリーのような雰囲気。棚の位置は掃き出し窓になる予定だったが、代わりに腰高窓を増やすことで東側からの明るさも確保した。
窓辺に縁側的スペースをつくり、ゆとりを持たせた和室。来客時を考えてリビングを通らず玄関から直接出入りできる動線を確保した。普段は寝室としても利用するため、観音開きの布団用収納のほか奥様専用の収納も設けた。
最優先したのは家族が過ごすリビングを広く明るくすることです。「来客も多いので、とにかくスペースを確保したかったんです」。そのために川上建築が提案したのは独立した寝室を設けず、リビング横の和室を寝室としても使うという案でした。
「初めは戸惑いもありましたが、リビングと和室は引き戸で自在に仕切れるので臨機応変にプライベートな空間にアレンジできます」と快適な住み心地を語ります。
ウォークインクローゼットは歩くスペースが無駄との考えから、和室や廊下、玄関ホールにご夫妻専用の収納を設置。「おかげで家具を置かずにすっきり暮らせています」と奥様も満足そうです。
和室は、玄関から直接出入りできるアプローチやリビングを通らずお手洗いや浴室に行ける動線にして、お客様にも配慮しています。
一方、奥様のイメージは古民家のような和が感じられる家でした。その思いは和食器がずらりと並ぶLDKの一角の棚に表れています。「いつでもコレクションを眺めていたい」。そんな願いを叶えるため、棚の置き場には試行錯誤しました。最終的にキッチン、リビング、和室のどこからでも眺められる最適な場所に決まりました。
共働きのご夫妻にとって家事のしやすさも外せないポイントです。水回りとキッチンの動線をつなげることで無駄なく家事ができます。「仕事中、洗濯物を干しっぱなしにしても雨で濡れないようにと、南側の軒を出してくれたのでとても助かっています」と奥様。ご自身のライフスタイルや好みをしっかり認識しているからこそイメージ通りの住み心地が叶いました。
キッチンは北向きながら窓を増やすことで明るく風通しの良いスペースになった。吊棚をなくした分、収納は隣接するパントリーに。リビングからの視線を遮るためカウンターを高めにした。
パントリーから見たキッチン。奥様の器、ご主人が仕事で使う書類などエリア別に収納。高さのある掃除機も置けるよう棚の高さにも配慮した。(写真右)
パントリーから見た洗面脱衣室と浴室。家事の負担が軽くなるようキッチンから直線的な動線でつないだ。左奥の引き戸からホールに出られる。(写真左)
広めのスペースを確保したトイレは床を廊下と異なる色に変えて落ち着いた空間に仕上げた。サイドに棚を設けて機能面もカバーした。
光をたっぷり取り込んだ明るい子ども部屋。約10.5畳のスペースを2部屋に仕切れるつくり。それぞれ個室としても活用できるよう、どちらの部屋にもドアを設けた。将来、お子様が独立したら寝室として使うことも考えているそう。
軒を出して直射日光を遮ることで壁面や窓への夏の熱負荷を軽減できる。雨よけ効果もあるので洗濯物を干しっぱなしにしても安心。共働き夫婦にとってはうれしいポイント。
(後列右より)担当の川上祥司さん、総務の川上憂華さん、工務担当の藤井さんと。「祥司さんとは同世代で、ともに子育て中なので打ち合わせが盛り上がりました」とご主人。
取材・文◎十倉和美
撮影◎土居政則
構造:木造
延べ床面積:98.54㎡
階数:1階
会社名:フリーダムホーム 株式会社川上建築
所在地:宮崎県東諸県郡国富町大字森永1659-1
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