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【家づくり成功マニュアル】自然素材を知り本当の健康住宅を考える

一生に一度の家づくり。人生最大の買い物に間違いがあってはなりません。新居をどんな家にしたいのか、人によってさまざまな希望があるでしょう。

 

しかし、安心して過ごせる家が一番という人は多いのではないでしょうか。安心して長く住める家だからこそ、一生で最大と言える買い物をしようと思えるのです。

 

安心安全にこだわり、自宅を実験の場として本当にいいものを探し求めたサエラ暮らし研究所の宝田直樹代表にお話をうかがいました。

取材・文◎板谷 智 写真◎山田晋也

2018.09.28/イエマド編集部

自然素材の使いどころ

私が自然素材の家を求めるようになったきっかけは娘のアトピーをなんとかしたいという思いからでした。ネットなどまだない頃で、本を読んだり人に聞いたり、とにかくあちこち調べました。そうすると、家づくりには多様な選択肢があり、健康優先の家づくりが可能なことを知りました。

 

基礎、構造、外装、内装、設備といった家の施工で、自然素材を使うべきなのは構造と内装です。外装にも、自然素材で断熱や保温の効果が高い優れたものはありますが非常に高額です。いいものを追求すればキリがありません。予算やご自分のライフスタイル、価値観などを考えて、何をどこに使うのか考えましょう。

<構造>構造に無垢材を

まず「構造」ですが、構造材は家の骨組みをつくる重要な材料となります。屋根や2階の床などの荷重にも耐えられる強い材料が求められます。

 

一般的に構造材で自然素材というと無垢材をイメージしますが、実はほとんどの工務店で集成材を使っています。集成材は間伐材や無垢を取った残りを成型し、接着剤で貼り合わせています。素材自体は自然の木なので自然素材の家でも使われているのです。

 

上の図のように木目を交互に貼り合わせるので、反りや変形が少ないと言われ使いやすく安価です。しかし、もともと一本の木で、繊維でしっかり繋がっている無垢の方が当然強くて安心です。製材しても呼吸を続けており、調湿性や脱臭性にも優れています。

 

集成材は接着剤が使われるため、その化学物質を心配する声もあります。シックハウスが問題視されたことを受け、今は問題のある接着剤は使われていませんが、逆に接着効果が弱くなって集成材が剥がれてしまったという事例はいくつもあります。

 

また、海外の安い木を使っていることも多く、やはり産地がはっきりし、日本の気候風土で育った国産の無垢材が日本で使うのに一番適していると言えます。

 

集成材を構造材に使うようになったのは約25年ほど前のこと。35年ローンで家を建てたとして、構造に集成材を使った家が25年を超えてどうなっていくかを見た人はまだ誰もいないのですから安心できません。

<床材>肌触りだけでなく吸湿性にも優れた無垢材

続いて「内装」です。ここはアトピーなどを気にする方はしっかり注意しなければいけません。

 

まずは「床」から見ていきましょう。一般的に木造住宅の床に使う材質は、複合フローリングと言われるカラーフロアか無垢の床材ですが、やはり大半はカラーフロアを使っています。

 

カラーフロアは、ナラ(オーク)やブナなどの化粧プリント板を台板に貼って表面加工した合成材です。見た目は無垢材とあまり変わらないのですが、本来木が持っている吸放湿性は期待できません。傷もつきにくく、液体をこぼしてもすぐに拭き取れる利点はありますが、それではプラスチックの床と同じです。

 

一方、無垢材はヒノキや杉、パインなどの針葉樹が使われます。本来の自然素材の肌触りを素足から実感することができるでしょう。冬でも暖かく、夏や梅雨時には湿度を調整してくれるので、ベタつかずサラサラしています。

 

ただ、そのままの無垢材は、汚れや傷はつきやすく、場合によってはトゲが刺さったりストッキングが引っかかったりするかもしれません。対策として、自然素材のオイル、蜜ろうワックスなどを塗ることをおすすめします。これらは、撥水効果があるため汚れ対策になります。それに吸放湿性は損なわれません。

 

お手入れとしては、ダイニングやリビングなど水回りに近いところはワックスがけが必要でしょう。私の自宅も、1階はしっかりワックスがけしています。1度全体に塗っておけば、自分でメンテナンスできる良い方法です。

複合フローリング(カラーフロア) 合板(ベニア板)の台板の表面に化粧板(0.3mm位)が貼られている。

床材の定番「ナラ(オーク)」(左)。安定した実力を持ち、何にでもしっくり馴染む普遍性が魅力。高級感のある「カリン」(中央)は重厚な質感と紅褐色の美しい色調で、価格は高め。白色系の「カエデ(メープル)」(右)は非常に硬く、重厚で衝撃にも強い。

国産材の「スギ」(左)はもっとも身近な良材。上の写真も含めた5種中で一番軽くて柔らかい。傷は付きやすいものの、温かみや調湿作用は抜群。高級材の「ヒノキ」(右)は腐りにくく、強度も長年落ちない。

柔らかな「パイン」は北欧風からカントリーまで、いろいろなスタイルに。やや傷は付きやすいが、踏み心地が良い。

<壁材>部分的にでも取り入れたい自然素材

次は「壁」についてです。ひと昔前だと壁の素材など、あまり気にしないものだったのですが、今は家のつくり全体が高気密になったため、下手なものを選んでしまうと結露で苦労することになります。

 

珪藻土や漆喰など自然素材の塗り壁は、通気性が良く、調湿性や吸着性に優れているので、結露が発生しにくくなります。しかし、やはりこれらは高額になってしまいます。

 

そこで珪藻土を含んだ壁紙や和紙のクロスなどがおすすめです。竹や布を使ったクロスもあります。ただし、和紙のクロスなどは貼るときに少し重ねる必要があったり、それなりの技術と手間が必要なこともあって、塗り壁ほどではないにしても高くつきます。そんなこともあって一番多く使われているのは、ビニールクロスになります。

 

安価で貼りやすく、種類も豊富なので、クロスのメーカーもかつてはあった紙や布のクロスをほとんどやめてしまってビニールクロスばかりになっています。しかし、吸湿性が悪いビニールクロスは壁の内側のカビやダニの発生原因になったり、腐朽菌をはびこらせる元になってしまうこともあるので注意が必要です。

 

家の壁を全部自然素材のクロスにすることが難しいなら、LDKや寝室など、滞在時間の長いところだけでも取り入れてみてはいかがでしょうか。もしくは結露がひどい場所、たとえば、北側の壁や押入れだけなど、場所を選んで自然素材を使うことがおすすめです。

「珪藻土」(左)、「シラス壁」(右)などの塗り壁は、消臭、調湿効果が抜群。

ビニールに比べれば高価だが、自然素材のクロスもある。「珪藻土クロス」(左上)、「竹クロス」(左下)、「和紙クロス」(右)。

<断熱材>断熱材は長期的目線で選ぶ

意外と見落としがちなのが「断熱材」です。私が家を建てた2000年頃は今ほど断熱材が重要視されていなかったのですが、私は当時の標準の1.5倍くらいの断熱材ではまだ満足できなくて、壁に2倍、床には2.5倍近い断熱材を入れました。

 

私が使ったものは今もよく使われているグラスウールです。しかし、湿気を逃さないので、今、私はあまりおすすめしません。

 

ほかには、ロックウール、発泡ウレタンなどがあります。ロックウールは水分を抱えず撥水性に優れていますが、家の内壁と外壁の間に詰め込むように使用するので、どうしても隙間ができます。発泡ウレタンは耐久性に優れていますが、火事のときに有毒ガスを出してしまいます。

 

今、私が一番おすすめしているのは、新聞紙が主原料になっているセルローズファイバーです。グラスウールと同じ繊維質でありながら調湿性に優れ、エコロジーの点からも注目を浴びています。ホウ酸を配合しているので防虫効果も期待できます。

 

施工は吹き込むタイプなので、手間がかかると言われていますが、隙間ができないことで断熱効果を高めています。いいことづくめなのですが、比較的高価です。ただ、断熱効果が高いので、光熱費が抑えられることが期待され、10年もかからず減価償却できると思います。長い目で見て選ぶ必要がありますね。

無垢材のデメリットとその対応法

無垢材も、いいところばかりではありません。デメリットもあります。施工後も呼吸をしていると構造の項で触れましたが、それゆえに季節によって若干伸縮します。夏の湿気が多い頃は膨張し、乾燥した冬には収縮します。そのため、つなぎ目の隙間調整が必要になります。

 

無垢材をよく知っている工務店であれば、施工時期によって適切な調整をしてくれるはずです。過去に無垢材を使った家をたくさん建てていれば問題ないでしょう。

 

また、ひび割れや木がささくれる現象もデメリットとしてあげられます。床材として使う場合は、床材の項であげた蜜ろうワックスなどを塗ることで効果があります。蜜ろうワックスに含まれた植物油が木に浸透して木を強くするとともに、木の表面を薄い膜で覆って木を守るからです。この膜のおかげで急激な乾燥や吸湿を抑えるため、ひび割れや反りが起こりづらくなるのです。

 

一番のデメリットと思われているのが、価格が高いことでしょう。集成材に比べ、一本の木から得られる量に限りがあるので仕方ないところですが、丈夫で長持ちすることを考えると決して高い買い物ではないのです。日本には無垢材を使った神社やお寺などの歴史的建造物がいっぱい残っていますが、これらは何百年ももっているのですから。

講師の会社をご紹介

代表 宝田 直樹さん

 

京都の地域密着型建築会社を定年退職した後、サエラ暮らし研究所を立ち上げる。新築コンセプト住宅の提案や建築家とのコラボレーション企画のほか、各種プロジェクトのプロモーションおよびサポートとして、勉強会やミニセミナーなどを毎月開催している。

家づくりのポリシー

もともと私は家づくりにこだわりのないサラリーマンでした。社会人になり、住宅設備の商品開発、建材の販売など、何かと関わることが多くなったことで、家づくりの奥の深さにも魅せられ、興味がわいてきたのです。そこで働く人たちの一生懸命さに心が動かされることも少なくありませんでした。

 

一方で、必ずしも一生懸命やる人が報われる業界でもないことを実感しました。しかし、本当に誠意を持って、責任を持って地元に根付いて経営していらっしゃる地域の工務店は確かにあります。私もその一つになりたいと思っていますが、それは簡単なことではありません。

 

健康住宅にも、新しい材料が開発され、新たな研究成果が発表されています。本当にお客様のためになるのは何か、絶えず研究し続けなければなりません。

 

自分の親兄弟や恩師の家を建てるつもりで、本当にその人の人生のために家をつくる。その気持ちを持ったときに、おのずと材料と工法は決まってくると私は思います。そういう気持ちで家づくりに関わっていきたいのです。

家づくりの特徴

[工法]

木造在来軸組工法

 

[金額]

3LDK本体1180万円(税抜)~

 

[工期] 4ヵ月

 

[保険・保証]

住宅瑕疵担保責任保険、火災保険、地盤保証、

完成保証、シロアリ防腐10年保証

 

[アフター点検]

3ヵ月、1年、2年、5年、10年

工務店情報

サエラ暮らし研究所

 

[住所] 京都府京田辺市河原北口43-3-1-310

[TEL] 070-2830-3781 

[FAX] 075-320-2931

[URL] http://caetla-labo.com/

[メール] info@caetla-labo.com