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少しの工夫で見違える!部屋を広く見せる13の方法

広々としたゆとりある生活をしたいという希望を持つ方は多いことでしょう。でも、広さを確保するのは、なかなか難しいものです。限られたスペースを少しでも広く感じられる空間にするための方法を、そのデメリットも含め、考えてみましょう。

2018.11.15/イエマド編集部

その1 吹き抜けにする

家を新築するときの希望として常に上位にランキングされる吹き抜け。吹き抜けは、天井の高さを感じるだけではなく、陽射しを多く採り入れるのに役立ちます。陽射しを採り入れて部屋が明るくなると、それだけで広く感じられます。

 

ただ、吹き抜けで注意すべき点は、冬暖まりにくいということ。最近の高断熱の家の場合では、それ程心配する必要はないようですが、冷暖房の方法によっては場所による温度差が生じます。特に暖房計画等の綿密な打ち合わせが必要です。計画しだいでは、2階の寝室や子供部屋にも暖かい空気が行きやすくなり、かえって暖房効率が良くなる場合もあります。 

 

天井にシーリングファンを付けて、空気を循環させるのも、快適に過ごす方法の一つです。この場合も注意が必要で、設置の場所によっては手が届かず、メンテナンスがしづらい場合があります。吹き抜け部分の窓に関しても、同様に掃除の方法など、しっかり計画を練っておきましょう。

その2 天井を高くして、梁を現しにする

最近、多く取り入れられている人気の方法です。天井高が5cmから10cmくらい上がるだけでも、広く感じられます。梁が見えることで天井に凹凸ができ、空間を感じやすくなります。見せる梁に塗装を施したり、クロスを貼るなどして、よりおしゃれな空間を演出することができます。

 

この方法には、構造面でのリスクがあることも忘れずに。露出する梁は大きな梁であることが多いため、構造を含めて検討する必要があります。

 

梁の出し方によっては、構造的に弱くなってしまい、住宅金融支援機構が定める省令準耐火工法の採用が難しくなり、火災に対するリスクが大きくなることから、火災保険等の支払いが増える場合もあるので注意が必要です。

 

また、1階天井と2階の床の距離が縮まり、遮音効果が小さくなるので、2階の床の音が響きやすくなることもあります。

その3 部分的に天井を上げる

リビング全体を吹き抜けにすると部屋は広く見えます。ただ、その分2階の一部屋分のスペースがとられてしまいます。また、全体的に天井を上げるのは構造的に無理が出てくることもあります。そのような場合には、部分的な吹き抜けをつくるという方法があります。部分的ならばシンプルな構造で、強度としても問題は少ないでしょう。

 

吹き抜けでなくても、部屋の一部を高くする方法があります。高い部分が強調され、奥行き感が生まれ、広く感じられます。天井に勾配を付ける勾配天井も高くなる方へ向けて広がりが生まれます。

 

リビングの天井を高くし、ダイニングの天井は低くするなど、高低差を設けると空間にメリハリができます。食事をするダイニングとゆったりするリビングといった異なった空間の演出も楽しめます。

その4 壁を減らして広く!

視界をさえぎる壁をできるだけ設けず、壁の凹凸をなくすことができれば大きな空間と感じられます。これは、広く見せると言うよりは、実際に広くなります。構造的に問題がなければ理想的ですが、構造上の仕切り壁や柱を残す必要が出てくる場合はあります。

 

構造上の壁にスリットを入れて向こう側が見えるようにすれば、圧迫感も取り除くことができます。また、構造上の柱を見せる場合は飾りの柱をともに並べることで、おしゃれで広がりのある空間を生み出すことができます。

 

仕切りの壁や柱を設けないときの注意点としては、大きな空間ができる分、間延びして感じる場合があります。建具の配置などを考えたり、家具のカラーでメリハリを付けることを考えましょう。

 

他にも気を付けなければならないのは、目隠しがなくなり、プライバシーを守る空間が少なくなるということ。開け放っているため、来客時にすべて見えてしまいます。また、部屋の隅々に冷暖房を効かせる必要があるので冷暖房費がかさむことも考慮しておきましょう。

その5 リビングと和室・洋室を一体化

リビングの隣に、和室または洋室を設置して、一つの空間にする方法があります。

 

壁や襖などの仕切りを設けずに、コーナーとして一体化すると、メリハリがありながら広い空間を確保できます。ソファーに座ってテレビを見ながらくつろぐリビング、寝っころがって子供と遊ぶ畳コーナーといった具合です。

 

リビングにつながる和室または洋室を、客間、あるいは将来的にご両親のための部屋と考える場合などは、仕切りは必要になります。その場合でも、できるだけ広く開放できる建具を選ぶのが良いでしょう。

 

襖、障子を使う場合にも一工夫が必要です。3枚の引き込み建具を使うことがおすすめです。4枚の建具の方が一見広く開けられそうですが、4枚建具は2枚ずつ重ねて両側に開くのが普通なので、1間(約1.8m)の幅しか開けることができません。それに対して、3枚の引き込み建具ならば1.5間(約2.7m)の開口をつくることができます。(上図参照)

 

他にも透けて見える間仕切りや、蛇腹に折れる扉など、広く開けられる方法を取り入れましょう。

その6 窓から外につながる空間を演出!

空間が広がる方向に大きく開口をとること、窓を大きくすることは、言うまでもなく開放感を出すことができます。窓を大きくすれば、明るく風通しも良くなり気持ち良さも感じられます。

 

掃き出し窓にして、庭とのつながりをつくると広く感じられます。リビングの窓外に窓と同じ高さのウッドデッキなどをつくれば、リビングの床が続いているような連続性を持たせることができます。ガーデニングがお好きな方はより楽しくなります。

 

注意しておきたいのは、熱効率です。窓が大きいことで、熱が逃げやすく入りやすくなり、冷暖房費用がかさむ可能性があります。樹脂サッシ、二重窓など、熱のロスが少ないものを使いましょう。夜間、閉めておくときにはシャッターを使ったほうが断熱性が向上します。

 

大きな窓はシャッターの開け閉めが面倒だと思われがちですが、手頃な電動シャッターも出てきているのでおすすめです。また、隣の家との位置関係もしっかり考えておくことも忘れずに。

その7 複数の窓の高さをそろえる

熱効率の問題はあるものの、できるだけ広い面積の窓は、明るくし、広く見せてくれます。上の写真のように開放的な窓にするのは、なかなか難しいでしょう。掃き出し窓を二つ並べたり、複数の窓を設置したり、掃き出し窓と腰高窓をならべたりすると、明るさが確保できます。

 

掃き出し窓と腰高窓を並べるとき、窓の高さがずれることがあります。この場合、上のラインをそろえるとすっきりとして見えます。通常の掃き出し窓の高さは180cmですが、予算が許すならば、200cmか、220cmの高い窓にしてそろえるとすっきりします。

その8 高い窓から光を入れる

隣の家が近く、プライバシーが気になってしまうので、その面を壁にしてしまうということもあるでしょう。少しでも光を採り入れたい場合には、目線をさけ、高い位置に窓を設置するのがおすすめです。

 

窓が小さく圧迫感があるようにも思えますが、高い位置の窓からの光は、部屋の奥の方まで届き、部屋を明るくする効果があります。コストをかけず、プライバシーを守りながら開放感を出すことができます。この高窓の下は大きめの壁面ができ、有効活用すれば、より楽しいお部屋づくりができます。

 

方角によっては光がさほど期待できない場合もありますので十分な検討が必要です。他の方角の壁に大きめの窓を設置し、補助的な窓として採用することがおすすめです。

その9 壁の色を考える

建具を含め、部屋全体をなるべく淡い色、白っぽい色で統一すると広く感じます。ただ、淡い色ばかりだと単調に感じてしまうこともあるので、間取りや建具のラインなどで、変化を持たせることも考えましょう。

色で変化を持たせたいということであれば、床→壁→天井の順に、濃い色からだんだん淡い色を選ぶと広く感じさせることができます。

 

天井を濃い色にすると、落ち着いた空間にはなりますが、圧迫感が生じ、狭く感じることがあります。

 

広さも感じながら濃い色をどこかに配置したい場合には、部屋の入り口正面から見えづらい壁などに、アクセントとして使用するのがおすすめです。

もっと積極的に色を足したい場合には寒色、暖色を使い分けると変化が生まれます。暖色系は前に飛び出して見える「進出色」なのに対し寒色系は後ろに下がって見える「後退色」と言われます。目線の奥の壁紙を寒色系にすると、広がって見える効果も出てきます。

その10 建具を付けない

寝室や子供部屋を広く見せるには、扉を付けない収納スペースをつくる方法があります。部屋のスペースがあまりとれない場合には有効です。建具がない分、部屋が広くなり開放感が増す上に建具分のコストダウンにもつながります。 

 

この方法は、片付けが得意な方におすすめです。片付ける癖がない方は、物が乱雑に置かれることになり、逆に部屋が狭くなってしまう可能性が大きいです。

その11 縦に長い建具にする

建具を縦線の入ったものにすると、天井が高く感じられ、開放感が増します。特にリビングの入口や、目に入りやすい箇所の建具は、途中に横線が入るデザインのものよりも、縦線の入ったデザインを選ぶと良いでしょう。

 

同じ効果を生むものとしては、ドアをハイドアにする方法があります。天井までのドアは縦に伸びた印象を与え、広く見える効果があります。

 

ただし、ハイドアは、通常のものよりも価格が上がります。また、既製品であっても大きい分、そりなどの不具合が出やすく、調整頻度が高くなりがちです。

その12 カーテンで広く見せる

カーテンは、扉などの建具と同じように広さを感じさせるアイテムとして有効です。カーテンを窓枠からではなく、天井から床ギリギリまでの長いものにすると、部屋が広く見えます。選ぶ色や柄によっては重く感じてしまうことがあるので、比較的明るめでシンプルな物がおすすめです。

 

特にカーテンを閉じているときに豪華な感じが出やすく、折り上げ天井、吹き抜けの場合には、その効果が増します。カーテン生地自体が大きくなるので、カーテンの価格が上がることは忘れずに。

その13 家具は少なく、収納は造り付けに

家具は意外に目立ちます。家具の置き場をしっかり考えすっきり配置するか、なるべく置かずに、造り付けの収納にして、壁の凹凸を減らすのがおすすめです。リビングにも収納をしっかりとつくり、家具は、ソファー、ダイニングテーブル、テレビ台くらいで計画すると良いです。スッキリとキレイになり、実際に広くなります。

 

家具の持ち込みは、どうしてもというもの以外は避け、入れるものはしっかりサイズを考慮して収まるスペースを確保しておくのがおすすめです。新規購入の場合には、家づくりと一緒に家具も探しましょう。予想した物がそのまま入るとイメージ通りの部屋になります。 

 

ただし、あまりに家具に合わせた家も考えものです。家族構成が変わったとき、部屋の模様替えのとき、対応しづらい場合があります。

 

持ち込むもの、そうでないものをしっかり決めましょう。家具は最低限の物で済む様に計画をすることが広さをキープするコツです。