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【家づくり成功マニュアル】
子どものしつけで悩まない家づくり

「せっかく家事ラク動線を考えたのに洗濯も掃除もはかどらない」。家づくりの先輩たちから聞こえてくるそんな声。お母さんの足を止めているのは、世話を焼かせてばかりのチビッ子たちではないでしょうか。

 

「子どもの動線を優先させる家づくりが結果的に親の負担を減らします」と口をそろえるのは、女性建築士で教員資格を持つ橋本佳代子先生と子育て支援の専門家の宮田康子先生。言われなくても自分から片付ける、勉強するようになる子どもの動線について話してくれました。

2018.12.04/イエマド編集部

子どもの習慣づけが親をラクにする

橋本  毎日の生活の中でお父さん、お母さんが困っていることは何かというと、子どもが〝散らかしっぱなし、勉強しない〟ということなんです。子どもが散らかすそばからお母さんが後片付けしなければならない。これではいくら便利な家事動線があってもお母さんはラクになりません。

 

逆に言えば、子育て中の親が日常生活の負担を減らすには、掃除や洗濯のしやすさも大事ですが、子どもが自分でおもちゃや道具を片付け、宿題をやり、明日の準備をし、歯を磨いて寝るようになることを考えたほうがいいのです。

 

宮田  確かに、家庭の環境づくりはとても大切ですね。子どもは人的環境と物的環境の影響を受けます。人的環境とは家族や友達などとの関わり、物的環境はその子どものまわりにあるモノのことを言います。

 

家で片付けのできる子どもは、保育園や幼稚園など外でもきちんと片付けます。しかも、小さい頃に身についた習慣は大人になってもずっと続いていくので、早いうちから家庭で習慣づけするのはとても大切なことだと思います。

遊びも勉強もリビングダイニング

橋本  では、なぜ子どもが片付けない、勉強をしないかと言うと、理由の一つは、子どもの動きと収納や勉強場所の配置のつじつまが合っていないことです。たとえば2階に子ども部屋がある場合、子どもは手を洗ったり、ランドセルを片付けたりするのに1階と2階を行ったり来たりしなければなりません。

 

小さな子どもにとって、それはけっこう面倒なことなんです。だから、帰ってくるなり玄関にランドセルを投げ出し、手も洗わずにおやつをつまみぐいしたりすることになります。

 

宮田  それに、お母さんが下にいると、やはり子どもは2階に行きませんものね。

 

橋本  お母さんが家事をするそばで、自分は自分のことをする、そんな雰囲気が好きなんですね。実際に子どもたちの様子を見ると、リビングダイニングでおやつを食べた後そのままそこで宿題をしたり、本を読んだりするパターンが多いようです。

 

「宿題終わったよ」と言えばその場で褒めてもらえたりして、そういうこともうれしいのだと思います。また親のほうも、家事をしながら声かけしたり、勉強を見てあげられるので、子どもがリビングダイニングで勉強することにはメリットがあります。

 

つまり、リビングダイニングは学習に適した場所なのです。子どものメインの居場所はリビングダイニングと考えて、生活習慣と学習習慣の身につく環境を整えてあげるのが良いと思います。

 

宮田  私もリビングダイニングでの勉強はこれからますます重要になってくると思います。少し先の話ですが、2020年から大学入試が変わり、センター試験がなくなります。入試はマークシート方式から記述方式になり、自分で考える力が問われることになります。それに対応して学校の指導も変わっていくと思いますが、家庭での学び方も考えたほうがいいでしょう。

 

広い意味でリビングダイニングを学びの場としてとらえ、たとえば家族でテレビを見ているときに時事ニュースが出たらみんなで話し合えば、考える力は自然と養われていきます。正しい答えのあるものではありませんが、他人の意見を知り、自分の意見を持つことが大切ですからね。

 

橋本  ダイニングでバラエティ番組を見ていた子どもが、知らない国の名前が出てきたのですぐ脇の本棚から地図帳を取り出して家族みんなで調べたという話もありますから、小さいころからそういう習慣が身につくといいですね。

 

ところで、子ども部屋は必要ないかと言ったらそんなことはありません。受験の年頃になれば、やはり集中できる場所があったほうがいい。そのときまでに習慣が身についていれば、自分の部屋に移ってもきちんと片付いて、勉強もします。

 

また、子ども部屋は小さいうちはお父さんお母さんと音楽を楽しんだり、言葉遊びをしたりする場所にするといいと思います。そういう遊びも広い意味では学びですから、子ども部屋は学ぶ場所だという意識づけができます。

子どもの3つの動線をスムーズに

橋本  子育て家族を応援する家とは、子どもが自分でできることをやりやすいようにするための機能を持った家です。子どもの〝いつ〟〝どこで〟〝なにを〟を考え、行動に沿った場所に収納や勉強場所、手洗い場などの設備を配置します。

 

子どもの動線は主に3つあります。学校や園から帰宅したときの動線、学習するときの動線、遊ぶときの動線です。

 

たとえば帰宅したときの行動は、上着の片付け、手洗い、ランドセルの中身の片付け、おやつとなるので、シューズクローゼットに子どもの手の届く高さの上着かけを設け、手洗い場を玄関ホールに置き、収納をリビングの一角につくればスムーズな動きになります。

 

学習のときの動きは、必要な道具を収納から取り出してダイニングテーブルやスタディコーナーに着席する流れになります。すぐ手の届く場所に本棚などを設けたり、キッチンの背面収納を勉強の道具入れにすると、あちこち動き回らずにすみます。

 

遊びのときはリビングとダイニングを行ったり来たり。おもちゃ入れはこの動線の近くに置きます。DVDやリモコンをしまうテレビボードはちょうど子どもの手の届く高さなので、思い切っておもちゃ入れにすると、自分で片付けるようになったりします。

 

ポイントは、ここは〝自分のためだけの場所〟と思わせることです。共有スペースを与えても子どもは片付けません。ですから兄弟がいたら人数分の場所を用意します。ネームプレートをつけるなどひと工夫あるといいかもしれません。

 

宮田  共有スペースだともうぐちゃぐちゃになりがち。ケンカの火種になることもあります。一人ひとり、エリア分けやネームプレートで、〝自分だけの場所〟をつくってあげるのは有効だと思います。

3つの動線上の便利プラン!

テレビボードはおもちゃ入れに。子どもの手が届く、ちょうどいい高さ。(写真右)

玄関脇の洗面台は、帰ってすぐに手を洗う習慣がつく。(写真左)

キッチンの背面収納も子ども専用にすると、ダイニングテーブルで勉強する子にはうってつけ。

勉強場所に近い本棚は、勉強中に必要になるものをすぐに取り出せるので、集中が途切れない。図鑑などもリビングの本棚やキッチンの背面収納に置くと思いついたときにすぐに使える。

褒めて育てる家にする

宮田  子どもは、叱るよりも褒めたほうが何倍も、何十倍も伸びる可能性があります。すごく散らかしたうちの1個しか片付けなくても、褒めてあげると、次は2個片付けようかな、3個片付けようかなとやる気を出します。

 

もちろん叱らなければいけないときもあるけれど、積極的に褒めるところを見つけてどんどん褒めるといい。生活習慣と学習習慣が身につけば、褒めどころはたくさん見つかります。

 

橋本  お父さん、お母さんだって本当はガミガミ言うのではなく、子どもと一緒に幸せな時間をつくり、楽しい生活を送りたいはず。そのために家をつくるんですものね。

 

宮田  そうです。今は、赤ちゃんのうちから保育園に通う子も少なくありません。両親が共働きの子だと、朝7時半から夜7時半まで園にいることもあります。その後家に帰ってお風呂に入ってご飯を食べて寝るとなると、親と触れ合う時間は3時間ぐらいでしょうか。社会的にそういう家庭が多いのなら、それこそ家での時間を大切にしてあげたいですね。

 

橋本  叱ってばかりで一日が過ぎていくのと、家族みんなでわいわいやりながら「今日一日どうだった?」と話をするのとでは大違い。〝子育て家族を応援する家〟というのは、子どもを褒めるチャンスをたくさん与えてくれて、同時に大人の心のゆとりをつくる家なのだと思います。

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