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【イエマドα省エネ特集STEP1】
地球のために家計のために賢く省エネしませんか?

こまめに電気を消すなどの「日頃の省エネ」以外にも、実は「大きな省エネ」があります。それは、冷暖房機器を省エネ製品に換えること、そして高性能な家をつくることの2つです。この特集では、エアコンと高性能な家づくり分けて省エネを考えてみましょう。

 

2020.01.17/イエマドアルファ編集部

1、なぜ省エネしないといけないの?

なぜ省エネしないといけないのでしょうか?それは、限りあるエネルギー資源の枯渇を少しでも先送りするためです。

 

暮らしの「便利」は、エネルギーを消費することで可能になっています。世界規模で経済の発展や成熟が進む現代では、エネルギー需要は急増。今の消費ペースでいくと、なんと石油はあとわずか約50年、天然ガスは約60年で底をつくという試算が出ています。

 

新たな油田や鉱山の発見で、枯渇までの年数は延びる可能性もありますが、いずれにせよ、限りがあることは確か。子や孫の世代に不便な暮らしを強いていいわけがありません。省エネは必須課題。もちろん、CO2の排出を少なくすることは、地球温暖化を止めるためにも大切です。

買い換えで、こんなに変わる電気代&CO2の排出量

「※省エネ法」をはじめとする国のさまざまな施策、そして技術の発展や企業努力によって、エアコンや冷蔵庫、照明機器などはどんどん進化=省エネ化しています。消費するエネルギーはできるだけ少なく、けれど大きな働きをする、そんな製品が増えているのです。

 

たとえばエアコンを最新の省エネ性能機種に買い換えると、地球温暖化の原因となるCO2の排出を抑えたり、電気代がお得になったりします。

 

※正式名称は「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」

家計のために

同じ家づくりをするなら、家計にも地球にも優しい「省エネな家づくり」に目を向けてみませんか?

暖房・冷房、本当に省エネなのはどれ?

以前はエアコンと言えば、「電力を爆食いする悪者」と呼ばれ、罪悪感を抱きながら使っていた人も多いものでした。扇風機は体感温度を下げてくれるだけで、室温はほとんど変わりません。地球温暖化やヒートアイランド現象など、室内環境が厳しくなっている今、エアコンは熱中症を防ぐ意味でも、適切に使うことが重要です。

 

一方、冬場はと言うと、電気、ガス、灯油などを燃料にしたいろいろな種類の暖房器具があります。囲炉裏や火鉢を囲んで暖をとっていた昔の名残か、日本で暖房と言うと、長らく部屋ごとにストーブで暖める局所暖房が主流でした。

 

しかし、局所暖房の場合、寒暖の急激な温度差はヒートショックなどの健康被害を引き起こす原因になります。それを防ぐためにも、全体暖房のニーズは増えています。では、どんな器具が適しているのでしょうか?

効率良く熱量を生み出すために誕生した、エアコンという機器

数ある暖房器具の中でも、エアコンを推奨する住環境の専門家は少なくありません。もちろん、一台で夏冬兼用できる、燃料交換の手間がかからない、お手入れも比較的ラクといったことがその理由にもなっています。

 

しかし、一番の理由は、エアコンが圧倒的に省エネ性能が良いからです。それを可能にしているのが、エアコンに使われている「ヒートポンプ」という技術。少しの電力で多くの熱量を生み出せるテクノロジーです。

 

燃料はそれぞれに生み出すことのできる熱量が決まっていて、単純比較するならもっとも効率が悪いのは電気です。ところがエアコンの欄に注目してください。ヒートポンプ技術を使うことで、灯油やガスに勝るばかりか、電気ストーブの4倍もの熱量を効率良く生み出しています。しかも最新のものなら5~6倍という結果も出ています。なぜこんなことが可能なのでしょう?

ヒートポンプは「熱をくみ上げる井戸」

上の図のように、ヒートポンプは空気から「熱」だけをくみ上げて、その熱を他の場所に運ぶ技術です。熱は温度の高い方から低い方へ移動する、という熱力学の原則を応用しています。熱を一からつくると多くのエネルギーを必要としますが、ヒートポンプは大気中にある熱を「集めて運ぶ」だけなので、エネルギーの消費量は少なくてすみます。それが省エネたるゆえんです。もう少し詳しく仕組みを見てみましょう。

ヒートポンプの仕組み(暖房の場合)

ヒートポンプが収められているのは室外機の中。室内機と室外機の間を「冷媒」となる物質が往復して、熱を運びます。電力を使うのは、図の「圧縮機」と「膨張弁」。

 

液体や気体には「圧力を高めると温度が上がり、圧力を低めると温度が下がる」という性質があるのを利用して、①空気中から集めた熱を②圧縮機でさらに温度を上げて、③室内に暖気として放出。すると④冷媒は熱を失うので、今度は⑤膨張弁で圧力を下げることで冷媒の温度が下がるため、次に⑥空気からの熱を集めやすくなる…という仕組みです。これは暖房の場合。冷房の場合には逆に回ると考えてもらっていいでしょう。

 

「でも冬の空気は冷たくて、そもそも集める『熱』なんてないのでは?」と思われるかもしれませんが、絶対零度(摂氏マイナス273℃)と比べたら、マイナス10℃も20℃も高温! 熱は簡単に集められます。

 

ちなみにヒートポンプはエアコンだけでなく、冷蔵庫や冷凍庫などでも使われている汎用技術。エアコンは、ヒートポンプ技術ありきで生まれてきた空調機器なのです。

 

いかがでしたか?次回は最新エアコン事情をメーカーの方に詳しく解説していただきます。地球のためにも、家計のためにも賢く省エネしていきましょう。