学生時代からアメリカスタイルの家に憧れていたというご主人。家づくりを考え始めたとき、〝木の家〟以外は考えられなかったと言います。

　壁には木目が美しく経年変化も楽しめるカラマツを、床には温かく足触りもやわらかな杉を採用した。「子どもたちは冬でも裸足で走り回っています」と奥様。標準よりもやや高さのある梁見せ天井が、明るく開放的な印象を生み出す。

　広々したLDKは和室やウッドデッキと一つにつながる。キッチンカウンターにはアクセントとして、DIY好きにお馴染みのOSB合板(※)を使用。通常は屋根や床の下地に使われる素材で、断熱性や気密性にも優れる上にコストも抑えられた。「建設中に急きょ依頼したのに、柔軟に対応してもらえたのもうれしかった」とご主人。

※OSB合板:薄い削片状にした木片を一定方向にして積み重ね、接着剤で高温圧縮した木質ボード。

　無垢材の壁の美しさを最大限に楽しむため、ペニンシュラ型キッチンを選択。吊り戸棚なしでキッチン側からの眺めが広がり、背面の収納も腰の高さに抑えることでリビング側からもスタイリッシュな印象を与える。

　和室らしい和室を避けるため、琉球畳と天井の網代クロスでアジアンチックな空間を演出。壁はLDKの天井と同じ消臭性、吸・放湿性能の高い珪藻土で塗り、手塗りしたニュアンスが楽しめる仕上がりに。

　木のリビングと一つにつながる和室は、違和感のないように、質感や色味を慎重にセレクトした。

　2階は子ども部屋とご夫婦の寝室のみのシンプルな間取りで、床は1階と同じく全面に杉の無垢材を採用。寝室にはこの家のためにつくられたかのような斜めに木目が走るクロスで遊び心を加えた。

　偶然できたという寝室の一角には、漫画好きなご主人のために壁一面の可動棚を設置。ご主人お気に入りの秘密基地のようなスペースだ。

　寝室には5畳と大容量を誇るウォークインクローゼットを配置。調湿効果の高い杉を全面に使う贅沢空間は、将来的には書斎として使う予定も。

　現在はまだ使用していないという子ども部屋は、大きくなったら好きにできるようにと白いクロスでシンプルな空間に仕上げた。

　広さを確保した洗面脱衣室は、キッチンから浴室までを一直線でつなぐ。衛生動線と家事動線を兼ね、窓からの風通しも良く、雨天時は室内干場としても活躍する。

　床と壁三面の無垢材が出迎える玄関は、シンプルながらも“木の家”を一目で印象付け、来訪者をふんわりと木の香りで包みこむ。

　杉板の外壁にご主人の好きな深緑の塗装を施した。冨田社長自らが探し出してくれたという同色の雨どいもご夫妻のお気に入りだ。

　休日はずっとここで過ごすことも多いというご主人の夢が詰まったウッドデッキ。「木の家だから自分で手を加えていけるのも楽しみ」と話すご主人。やりたいことが次から次へと思い浮かぶのだそう。

　家づくりでご夫妻が何よりこだわったのが、家族でほとんどの時間を過ごす1階です。壁と床のすべてに無垢材を使い、憧れの〝木の家〟を実現させました。木の温もりを感じるリビングは友人からも癒されると好評で、人が集まる家にしたかったという明るいご夫妻にふさわしい空間に仕上がりました。

　それだけでなく、LDKの天井やリビングに続く和室の壁には健康に配慮した自然素材の珪藻土を用い、調湿効果や耐火といった物理的な快適性と安心感も確保しました。

　間取りづくりでは、奥様の家事動線を最優先に考えました。雨の日に洗濯物が干せる場所にとキッチン横に配置した通常よりも広めの洗面脱衣室は、お子様の手洗いや来客時にも快適な動線として活躍します。

　屋根付きの大きなウッドデッキもまた、ご主人の念願のスペースでした。庭に面したLDKとフラットにつなげることで、人目も気にならない贅沢なプライベート空間になりました。そこで趣味のDIYをしたり、七輪を囲んで過ごす時間が、ご主人にとってなによりの楽しみとなっているそうです。

　一方で奥様の喜びは、そんなご主人の姿をはじめ、お子様たちや友人が自由にくつろぐ様子をキッチンから眺めることなのだとか。それぞれの楽しみがそれぞれの喜びへとつながっていく、そんな幸せの連鎖がこれからも日々連なっていくことでしょう。

　「木の香りを嗅ぐと、一瞬でくつろいだ気分になれるんです」と笑顔で話す奥様の言葉通り、I様のお宅は、玄関を開けた途端に心地良い木の香りに包まれます。

　学生時代からアメリカスタイルの家に憧れていたというご主人。家づくりを考え始めたとき、〝木の家〟以外は考えられなかったと言います。手始めにログハウス専門のメーカーを訪ねましたが、予算との折り合いがつかず、自分たちのイメージを形にしてくれる住宅会社を探していたそうです。

　そうして足を運んだのがトミタでした。ご夫妻の希望をもとに、冨田社長が描き出した最初の完成イメージ図を見て、たちまち心が決まったと言います。「それは理想の家そのもので、鳥肌がたちました。想いが伝わったことがうれしかったですね」とご主人。

　冨田社長（写真後ろ）とI様ご家族。「わかってくれているという信頼があったから、社長に任せれば大丈夫と安心して家づくりを楽しめました」（奥様）。

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