「建てるなら平屋」そう決めていたご夫妻の土地探しから間取りづくりまでの体験記。日当たりを確保するのが難しい平屋の間取りづくりはアイディア次第で快適な空間に。

注文住宅事例満載の家づくり情報サイト｜イエマド編集部です。今回は「家を建てるなら絶対に平屋」。そう決めていたご夫妻の土地探しから間取りづくりまでの事例を紹介します。日当たりを確保するために広い土地が必要と思われがちな平屋ですが、間取りを工夫することで、快適な空間を手に入れることができます。今、人気の平屋をお考えの方、ぜひ、参考にしてください。

「家を建てるなら絶対に平屋」。そう決めていたＮ様ご夫妻。ご主人はその理由を「老後は二階を利用しなくなると言うし、同じフロアにいる方が家族の存在をより身近に感じられるから」だと話します。

土地はお子様の学区内で探しました。しかし、平屋に適した広い敷地はなかなか見つかりません。時間をかけてようやく入手したのは、角地で陽当たりは良好だけれど台形の土地。「その中でどれだけ広く、無駄のない間取りにするかが主題でした」と、ご主人は振り返ります。

まず、家族で過ごす空間を優先したいとリビングはできるだけ広く開放的にしました。キッチンもお子様と一緒に立てるように、幅をゆったりと取っています。そのぶん、子ども部屋は「寝るためだけの場所」と考えて小さめに。ただ、「独立して家を出ても居場所を残しておきたい」という親心から、３人のお子様それぞれの部屋をつくりました。

間取りを主導したのは、ものづくりが得意なご主人です。間取り作成ソフトを駆使し、打ち合わせのたびにつくった間取りを持っていきました。「土地の形を踏まえながら、プロの目線で指摘、修正をしてもらい練り上げていきました」と話すご主人。こうした密なやりとりができたのも、スズモクとの強い信頼関係があったからです。

「他社にも行ったんですが、強引な営業が嫌になってしまって…。その点、スズモクさんは決して出過ぎず、質問には誠実に答えてくれました」と、奥様がスズモクを選んだ理由を教えてくれました。

間取りが決まれば、次はディテールです。ご夫妻はキッチンや風呂だけでなく、照明、カーテンなど設備機器を選ぶ際は、可能な限りショールームに足を運びました。質感や全体の雰囲気を確かめるためです。「見学会にも行って参考にしました。完成してから後悔したくないのでとことんこだわりましたね。でも、少しずつ形になっていくのが、とても楽しかった」と笑顔のご主人。

新居に住み始めてから、お子様たちは家の中でのびのび過ごしていると言います。「子どもたちとの時間を大切にしたい」というＮ様ご夫妻の思いは、お子様たちにしっかりと伝わっていました。

二つの掃き出し窓から陽光がたっぷり入る明るいリビング。お子様も料理をしたり手伝ったりするため、キッチンは動線がスムーズになるよう両側から行き来ができるようにした。カウンターにはホットプレートや携帯電話の充電用コンセントを設置している。

リビングにはテレビの両側、壁の上部など6カ所にスピーカーを設置。勾配天井の傾斜も相まって音響は抜群だ。ドアはほとんど引き戸を採用。「開けっ放しにできるので、家族間の風通しもよくなります」（ご主人）。

Ｎ様ご夫妻が大切にしている、ご家族みんなで過ごす時間。勾配天井がより明るく快適な空間を生み出している。「勾配天井はスズモクさんが提案してくださいました。平屋は採光性や通気性が不安でしたが考えながら配置してくれたので快適です」とご主人。

システムキッチンは汚れが目立たず、掃除もしやすいホーロー製。磁石がつくのでメモや学校のプリントを貼っておくのにも便利だ。背面収納との段差が生じないように冷蔵庫のサイズに合わせて、裏側にある客間の収納と調整しながら後ろの壁をへこませている。

LDK奥のファミリールームは2面に取り外し可能な引き戸を配した。普段は外して空間を広く使い、来客が多い時には戸をつけて客間に利用している。窓がないため、ウォークインクローゼット（下の写真）の窓の光が届くようガラス戸で工夫。

子ども部屋のクロスはお子様がセレクト。暗くなると星座などが浮かぶ蓄光クロスを天井に選ぶなど、それぞれの個性が出た空間に。収納はなく、学用品以外はファミリールームの共有クローゼットを利用。

ご夫妻の主寝室は暖色系のクロスが落ち着いた雰囲気の和室。携帯電話の充電用にそれぞれの枕元の位置にコンセントを配している。

玄関の正面にある客間は天井の木目調クロスが格調高い空間を演出。２面にある押入れには来客用の寝具のほか、季節外の衣類などを収納。

勝手口脇のパントリーは家事動線をスムーズにするため、両側に戸を設け、LDKから洗面脱衣室への通路も兼ねたつくりに。

洗面脱衣室はLDKとファミリールーム双方から出入りが可能。浴室の壁はキッチンと同じホーロー製。右手前はご主人自ら設置したタオル掛け。

朝の出勤、登校時に混みあわないよう玄関は広く取り、土間からも上がれるようにした。「土間は雨の日の傘や合羽を置くのに便利」と奥様。入口は引き込み側がすりガラスの引き戸で採光性が抜群だ。

玄関ホールの来客用トイレは和紙風のクロスで上質に、ご家族用のトイレはオレンジで明るさを大事にした。ご家族用トイレの床は手入れがラクなホーローパネル。

ファミリールームの引き戸は最初から外すつもりでいたので、ウォークインクローゼットの中に引き戸専用の収納スペースをつくりました。邪魔にならず、何かの拍子に倒れる心配もありません。出し入れもしやすいので便利です（奥様）。

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