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注文住宅を成功させるための土地探しのコツをまとめました!【イエマド・土地探し特集】

 「新築マイホームの計画は、土地探しから」と思っているあなた。 ちょっと待って!そんな土地の探し方は、たとえ良い土地が手に入っても、家づくりが成功するとは限りません。

 では、失敗しない土地探しとは?正しい土地探しの方法は?一緒に考えていきましょう。

2020.01.17/イエマドアルファ編集部

目次

Step1.土地探しにはさまざまな落とし穴が!?

 良い土地だと思ってパッと買ってしまった土地。ですが……土地を買った後、さらに費用が発生した、法規制などによって思った家が建たなかったなど、意外に多い土地選びの失敗。どんな失敗があるのか?具体的に紹介していきます。

1.買ってからわかった軟弱地盤で地盤改良工事が必要に

 いざ家を建てようと思って土地の地盤調査をしたら、実は建築に不向きな軟弱地盤だった!こんな場合は、地盤を補強する「地盤改良工事」が必要になります。

 地中にコンクリート柱を埋め込む柱状改良ともなると、100万円レベルの出費になる場合も。地盤調査はほとんどの場合、土地を買ってからでなくては行なえないため、こうした失敗例は少なくありません。

2.土地によっては自由に建物が立たない法規制が

 大きな窓のある吹き抜けに、広いLDK。2階にロフトを設けてアトリエに…など、誰もが想い描く夢の間取り。でも、買った土地の地域によっては、法律で建物の大きさ・高さ、窓の大きさにも規制が設けられていることもあります。自分の思い描く理想の家が建たないなんていうこともあるのです。

3.ライフラインが未整備でガス管、上下水道がきていない

 ガス管や水道管は「あって当たり前」だと思っていると思いますが、買った土地まで来ていなかった……そんなライフラインの未整備はありえます。最悪の場合、管の通っている主要道路まで、何十mも道路を自己負担で工事することも……。

 水道管がたとえ引き込まれていたとしても、古い規格で現在主流の口径と合わないといったトラブルもありえるのです。

4.そのほかにもあるこんな落とし穴

◎傾斜地にある土地は要注意。段差のある土地、裏に一定傾斜以上の崖がある土地は、土砂崩れや地盤崩れを防ぐ「擁壁(土留め)」をつくらないと家は建てられない場合も。擁壁はコンクリート製などで一定の強度を必要とするため、出費も大きくなります。土留めや階段など多額の外構(エクステリア)費が必要なことも少なくありません。

◎買った土地の前面道路の幅が不十分、という場合も要注意。大型の資材車や重機が入れないと、小型車で小分けにして工事をすることになるため、コストがかかったり、施工期間が長くなったりも。自分の土地を一部、道として提供しなければならないこともありえます。

◎今は買うよりも捨てることにお金のかかる時代。不要土や石、木の処分などで多額の出費になることも。

◎町内会や自治会への入会金が、数万円~30万円かかる場合が。地方ではよく見受けられるケースです。

5.こんな失敗や、想定外の事態は避けたいから……

こんな失敗や、想定外の事態は避けたいですよね……最後に、土地の買い方・探し方の三原則をご紹介いたします。   

 

①土地を焦って先に買ってしまわない。
②土地の相談は直接、不動産会社にしない。
③土地は自分たちだけで探そうとしない。 

Step2.土地は住宅会社と一緒に探すと失敗しない!?

 「土地って不動産会社で買うものじゃないの?」当然、そう考えますよね。不動産会社は「土地売買のプロ」だけど、「宅地のプロ」ではありません。実際に、不動産会社にお金を払って買うことにはなるとしても、家を建てるための土地探しは、その家を建てる住宅会社と探すのがベストです。

 ※不動産会社でも、新築注文住宅の建築を行っている会社もあります。

1.土地にまつわる5つの疑問① 土地探しの失敗って?

 土地探しの失敗って、どういう意味?希望する条件の土地を見つけられないこと?もちろん、それもあります。でも、それ以上に後悔することになるのは、「土地の値段を誤る」こと。

 家づくりにおいてはほとんどの人が初心者です。そのため、「問題なく返していける毎月のローン返済額=自分の資金力」もわかっていなければ、建物にいくらお金がかけられるかもわかっていません。それなのに先に土地だけ買ってしまったら…? 

 建物に使えるお金が足りなくなるケースが多いのです。日頃の買い物では、こういう失敗はあまりないですよね? 財布にいくら入っているか把握しないまま買い物に行って、後先を考えず気に入った物を買うなんてことは、あり得ないのでは?

 でも、それをしてしまいがちなのが家づくり。自分のお財布に見合わない土地を買ってしまったときの失敗といったら、目も当てられません。ぜひ資金計画を先に立て、住宅会社と相談しながら土地を買うことをおすすめします。

2.土地にまつわる5つの疑問② 土地を買う順番は?

 なぜ土地を先に買ってはいけないの?土地があるから家を建てられるのでは?そんなことはありません。そこが大きな誤解。

 土地を先に買って失敗する人は、みな「住宅会社へマイホームの相談に行くときには、土地を用意しておかなければ」と思い込んでいます。つまり、住宅会社で土地の相談ができると思っていないのです。

 そして、知識のないまま土地を買ってしまって失敗しています。まずは、どんな家を建てるのか?を考えてからのほうが、その家に合った土地を探すことができます。

3.土地にまつわる5つの疑問③ 地盤改良は必ずするの?

 地盤調査は、土地を買ってからでないと実施できない?地盤改良の要・不要は事前にわからないの?

 残念ながら、土地を買う前に地盤調査を行えるケースはまれです。だから土地選びは難しいのです。また、土地を買って地盤調査をすませ、一度は大丈夫になっても、たとえば間取りに変更が出て、敷地内の違う場所に家を建てることになったら、地盤調査はやり直し。それほどデリケートなものです。

 できれば、地盤改良工事費を100万円程度、あらかじめ予算に組み込んで資金計画するのがいいでしょう。工事があったとしても、大規模でなければ数十万円単位で戻ってきます。不測の事態に備えておくのがいいでしょう。

4.土地にまつわる5つの疑問④ 土地はどうやって探したらいいの?

 なぜ土地は住宅会社と一緒に探すといいのか?

 第一に、資金計画から面倒を見てもらえる点です。資金計画を立てて自分の返済能力を把握したら、今度は家の大きさや間取りを相談しながら、建物にかかるおおよその金額を出してもらいます。

 そして、予算から建物代を引けば、土地にかけられる金額が分かります。そうしてから土地を探せば失敗はありません。

 土地探しのさまざまな落とし穴も、住宅会社と一緒に探せば大抵は避けられます。インフラの未整備や軟弱地盤は、本来なら売り主に説明責任があり、物件概要の「重要事項説明」にも明記されるはずのもの。

 でも、実際には一般の方はそこまで読み取れないか、聞き逃す場合がほとんど。それゆえ後でトラブルに…。

 そこで、プロである住宅会社が強い味方になるのです。彼らなら「余計な出費」がかかる土地かどうか、物件概要から適確に読み取ることができます。住宅会社は、新しく売りに出る土地に関する情報を持っていることもあります良い土地に出会えるチャンスも増えます。

5.土地にまつわる5つの疑問⑤ いい土地に出会うコツは?

 いい土地と出会えるコツは資金計画で割り出した土地の予算より、100万~200万円オーバーの相場の土地をねらうことです。そのうえで、実際に土地探しを始めましょう。条件に合う土地が出てきたら、そこからが肝心です。

 

①必ず実地に赴いてチェック。

 時間によって陽当たりや周辺環境がガラッと変わる場合もあるので、朝・昼・晩、それぞれの時間帯に訪れます。もちろんこのときに、住宅会社の営業マンに一緒に見てもらうのも◎。

 

②念を入れるなら、周辺のお宅にインタビュー。

 暮らし心地を聞き出します。

 

③そして気に入ったら、「住宅会社を介して」土地の売買&値下げ交渉を。

 住宅会社に「用心棒」をお願いするのです。土地のプロ(不動産会社)と渡り合うには、あなたが対応するより、宅地のプロ(住宅会社)に任せた方が安心。かなりの高確率で、「相場よりちょっと上」の土地が「予算内で」手に入るでしょう。

 ただしその際、一つお願いしたいことがあります。用心棒までやってもらうなら、その住宅会社に仁義を通してください。その会社で家を建てるつもりもないのに、土地だけ探させるのは、やはり酷。

 少なくとも「ここなら建ててもいいな」と思える、候補数社の一つではあって欲しいものです。そうでないと、営業マンも頑張り甲斐がないですからね!

6.先に土地を買って予算オーバー! よくある土地の二大失敗

<広い庭に、小さな家…>

 我が家の全体予算を知らないまま、良い土地だと思い、高めの土地を買ってしまうと、建物に回す資金が不足してしまいます。泣く泣く建物のサイズで妥協をして、庭ばかり広い家になってしまうことも。

 

<返済が追いつかず、家を手放す結果に…> 

 「全体予算ー(ひく)土地の値段」では、小さな家しか建たない。だからと言って、返済能力をオーバーしてまで家を建ててしまうと、返済不能におちいってしまい、家を手放すことにもなりかねません。

7.デメリットをメリットに変える家づくり

 一般に「難あり」「良くない」とされる土地は、建物や間取りを工夫することでデメリットをメリットに転換することができます。また、そういう土地は「難あり」と思われているだけに、相場より安く入手できることも。

 逆に良いとされる土地でも、ひと工夫必要なこともあります。評判や常識にとらわれない、賢い土地探し&家づくりをしましょう。

 

Step3.実践! 土地の買い方・探し方

 いい土地に巡り合うためには、どうやら住宅会社と一緒に探した方が良さそう。でも、だからと言って「探しておいて」と丸投げはしないでください。やはり自分で数多く当たってこそ、いい出会いは生まれます。では、どんなふうに土地を探したらいいか具体的に考えましょう。

1.条件に優先順位をつける

 家庭によって「いい土地」の条件は違っています。落ち着いた子育てしやすい環境、陽当たり、交通の便、買い物の便、角地…などなど。まずは家族で話し合いをし、自分たちにとって何が一番大切なのか? 条件を選び出して優先順位をつけましょう。

2.土地情報を入手する

◎「土地を探している」と公言する

 住宅会社だけでなく、不動産会社にももちろんのこと。友人知人やご近所さん、過去に家を建てた知り合いなどに、「私は土地を探しています」と広く伝えます。アンテナを張って、情報が入りやすくしておくことが大切です。

 

◎希望するエリアを見て回る

 次に、車に乗って、希望するエリアをぐるぐる回ります(もちろん徒歩もOK!)。「売地」の看板の出ている空き地があれば、陽当たりや隣家との距離感、周辺環境などをチェックして。自分の鑑識眼や勘を鍛えましょう。

 

◎良さそうな売地があったら即連絡

 管理会社や不動産会社の案内が出ていたら、すぐに電話をしてみましょう。たとえすでに売れてしまっていたとしても、ほかの売地情報や参考になる情報がゲットできるかも。

3.相場感覚を養っておく

 このエリアは坪いくら程度で売られていることが多い? そんな「相場」がわかってくると、土地探しはぐっと前進! 相場を知っていると、売りに出ている値段の高い・安いや、その理由が見えてくるからです。「駅近ではないけれど、意外と便利な土地だからちょっと高いのかな」「このエリアでこの値段は破格じゃない?」という具合です。

 相場というと難しく感じがちですが、方法はカンタン! コンビニなどで売っている土地情報誌を1冊買って、地図を見ながら位置を確かめながらたくさんの物件の値段を見るだけ。これだけでも相場感覚が鍛えられます。

4.ピンときたら買う!

 肝心なのは、予算や条件と照らし合わせてピンとくる土地があったら、即行動に移すこと。同じように探している人がたくさんいます。資金計画や上記1.~3.などの準備は忘れないで。でも、買うときは思い切って買うのが、いい買い方です。「見る目」と知識を養っておき、判断はすばやく、が鉄則。

5.土地購入までの手順のおさらい

最後に土地購入までの手順のおさらいしましょう。

①優先順位を考える

②アンテナを張って、複数の手段で情報入手

③相場感覚を養っておく

④ピンときたら購入

Step4.「ちょっと待って!」その条件、本当に重要ですか?

 家族で土地に対しての優先順位をあげてもらいました。その中で「買い物に都合が良さそう」や「駅から近くて便利」など、利便性を第一に考えてしまっていませんか。本当にそれでいいですか? 

 商店街に近いということは、騒がしいかもしれないし、駅に近ければ、高層施設が多くて陽当たりが悪いかも…。土地探しで、もう一度見直したいポイントを紹介します。

1.主要道路に面していて便利!?

 どこに行くにもアクセスがいい主要道路は、確かに魅力的です。でも、交通量が多いことのデメリットも忘れないで。特に小さいお子様がいる場合、交通事故や排気ガスの危険と隣り合わせでは気が休まりません。1本奥に入った道沿いで検討してみては?

2.転校させたくないから今の学区内に!?

 お子様の教育環境をあまり変化させたくない。そんな希望から今お子様が通っている学校の学区内で土地を探される方がいます。お子様がその学区の学校に通うのは、たかだか9年。高校などは、必ずしもその学区にあるとは限りません。

 そうすると、ほんの数年のことになります。さらに大きくなったら独立し家を出てしまうかもしれません。でも、親はその後もずっとそこに住み続けるのです。学区にしばられて、ほかの地域のいい土地を見逃していませんか?

3.大型スーパーの近くで買い物しやすい!?

 スーパー近くの道路は、夕方や休日ともなると大渋滞。スーパーに近い土地は確かに買い物には便利ですが、家の前が渋滞で出かけられない、家は目の前なのに帰り着けない…なんていうことにもなりかねません。夕刻や休日の環境を必ずチェックして。

4.今、住んでいるところの近くがいい!?

 慣れた土地は都合がいいと、どうしても住んでいるアパートの近くで土地を探してしまいがち。でも、アパートが多く建っている地域は、概して利便性が良くて相場も高めです。なかなか予算と折り合わないかもしれません。アパートに比べると、少し不便さを感じることがあることも頭に入れておきましょう。

5.若いファミリーがいっぱい住んでいるニュータウンがいい?

 ニュータウンと呼ばれるような分譲地は、若いファミリーに大人気。同世代が多くて気が楽だし、子育てに向いた環境に思えます。けれど、裏を返せば、共働き世帯ばかりで昼間は閑散としていて、空き巣などにねらわれやすい土地柄と言えるかも。

 案外、旧市街地のような高齢世帯が多いエリアの方が、安心できる場合も多いものです。若い夫婦は、みんなにかわいがられて、地域のアイドル一家になれる可能性も!?

Step5.知っておこう、土地にまつわる法規制

 土地と建物には、さまざまな法規制があります。そしてそれらは、家の大きさや広さ、間取り、構造、材質まで影響を及ぼすことがあります。かと言って、難しい法規制を全部覚えようと思っても無理があります。読んでおいて、住宅会社や不動産会社に、何か法規制にひっかかることはないの?と尋ねるだけでもOK!です。

1.土地の使い道は決められている「用途地域」

 一つの地域に住宅や店舗、工場や学校などがあれこれ混在しないように、土地は都市計画法でその用途が決められています。それが「用途地域」。用途地域は左表のように12種類に分類され、大まかに住居系、商業系、工業系となっています。

 「工業専用地域」以外であれば、どこでも住居は建てられます。ただし、区分ごとに「建ぺい率」や「容積率」が決められています。敷地がどの区分に属するかによって建てられる家の大きさは左右されます。住環境も異なります。どの地域に土地を買うかは十分に吟味しましょう。

 住居系の用途地域は、住宅地としては良好な環境ですが、そのかわり建物の高さや広さに制限があります。たとえば、低層住宅、つまり通常の一戸建て住宅のための住環境を大切にした「第一種低層住居専用地域」なら、背の高い4~5階の家や、極端に大きい豪邸は建てられません。

 商業系や工業系なら建築規制はゆるやかですが、近隣にどんな施設があるかが気になるところ。極端な話、家を建てたら、あとから隣にいかがわしい建物が建つ場合もあるのです。

2.原則「住むための家」は×「市街化調整区域」

 農地や自然環境を残そう・守ろうという趣旨で設定されているのが「市街化調整区域」。これは行政が「市街地化してはダメ」と線引きした地域です。行政によって規制の厳しさ・ゆるさはさまざまですが、原則的には「住むための家」を新たに建てることはできません。もともとその地に住んでいる農家などが、建て替えをするようなケースだけ認められていることがほとんどです。農地が売りに出されていることがありますが、宅地として使用する場合には、数年かかったあげく、宅地への転用の許可がおりないこともあるようです。

 まれに規制のゆるい地域だと、新築マイホームも建てられるという場合があるものの、基本的に市街化調整区域では商店などの利便施設が建てられないため、必然的に暮らしが不便になりがちです。市街化調整区域を売買すること自体は、なんら法に触れるわけではないので、安いからと「うっかり買ってしまう」ケースは多いもの。買ったあとで「家は建てられない」と知ってしまってまっ青に…といった事態にならないよう、気をつけましょう。

3.家の広さを決める数値

 ①の通り、用途地域によって建物の大きさは細かく制限されています。それを数値で表したものが建ぺい率と容積率。制限の厳しい地域では「敷地が40坪あるのに、1~2階合わせて25坪の小さい家しか建てられない!?」ことだってあります。

4.建ぺい率=建築面積÷敷地面積

 建ぺい率は、用途地域ごとに30~80%の範囲で定められています。たとえば建ぺい率60%の地域だとすると、100㎡の敷地のうち6割の60㎡までを建物にすることができる、といった具合です。

5.容積率=延べ床面積÷敷地面積

 一方、容積率は、用途地域ごとに50%~1300%までの範囲。都市部の住居系地域だと150~300%となっていることが多いようです。たとえば容積率200%の地域なら、100㎡の敷地に計200㎡の建物(1階80㎡、2階と3階が60㎡ずつなど)を建てることが認められています。

Step6.知っておこう、土地にまつわる法規制(後編)

 土地と建物には、さまざまな法規制があります。そしてそれらは、家の大きさや広さ、間取り、構造、材質まで影響を及ぼすことがあります。かと言って、難しい法規制を全部覚えようと思っても無理があります。読んでおいて、住宅会社や不動産会社に、何か法規制にひっかかることはないの?と尋ねるだけでもOK!です。

1.「斜線」の中に家を収める「斜線制限」

 家が周囲の日照や通風を妨げることがないよう、地域ごとに建物の高さにも制限があります。これが「絶対高さ制限」。①「用途地域」の分類のうち、第一種・第二種低層住居専用地域(一低・二低)では、絶対高さ制限が10m、または12mと決まっていて、通常の2~3階建ての家なら、ほぼ高さ的には問題はありませんが、屋根の形状などに工夫が必要な場合も出てきます。

 また、北側の隣家に対する配慮として設けられている規制が「北側斜線制限」です。北側に接しているお隣さんに対して、あなたの家が与える圧迫感を減らしたり、ある程度の日照・通風を確保してあげるために決められています。

 建物が道路に与える圧迫感をなくそうと設けられている規制が「道路斜線制限」。この「道路斜線制限」も「北側斜線制限」も、上図のように、一定の角度でのびる斜線の内側に建物を収めなければならないというルールになっています。

2.前面道路の幅が狭いとき「セットバック」

 幅が4mに満たない道路(場合により6m未満)に面した土地の場合は、敷地をセットバック(後退)させなければならない法律もあります。道路の中心線から2m(場合により3m)下がったところまでは、自分の土地であっても建物は建てられません。塀や門扉なども×。また、建ぺい率や容積率を計算するときの敷地面積に含めることもできません。

3.ほかにもまだある家の規制

 用途地域とは別に、防火上の観点から「防火地域」「準防火地域」などの土地区分もあります。該当する場合は「耐火建築基準」をクリアしないとならないので、建築材料、設備が限定されます。窓一つをとっても、網入りガラスや防火ガラスにしたり、シャッターの設置が必要な場合などがあり、想定外の出費がかかることになります。

 ここまで見てきたように、土地と家の関係はちょっと複雑で厄介です。プロでないかぎり、すべてを把握して家づくりをすることは不可能でしょう。土地探しをする段階までにできるだけ信頼できる住宅会社をしぼり込み、その住宅会社と土地の相談をしながら間取りプランを進めていく方法がベストです。

4.「親の土地に新居」はダメ? 「ひと土地ひと棟」の法則

 建築基準法では「一つの敷地に住宅は一つ、そして敷地は道路に2m以上接していなければならない」と定められています。親の敷地であっても、空いている場所にお子様が別の住居を自由に新築することはできません。

 二世帯住宅を建てるとき、互いが行き来できない建物は「集合住宅」と見なされ、建築規制が一般住宅より厳しくなります。また、元が1軒の場合、上下水道やガス管などが1軒分しか入っていないことが多く、2棟に分けた場合、もう一つずつ上下水道やガス管を引き込む工事をしなければなりません。費用がかさむので、注意が必要です。

いかがでしょうか?

今回で、賢い土地の買い方・探し方の話は最終回となります。全6ステップを通して正しい土地探しの方法がご理解いただけましたでしょうか? 賢い土地の買い方・探し方を実践していただき、「いい家づくり」にお役立てください。